「同じだけ働いているのに、どうして給料が上がらないんだろう」
飲食の現場で5年、10年とがんばってきた人ほど、一度はこう感じたことがあると思います。昔の僕も、まったく同じでした。
資格を取って、休みも返上して働いて、それでも年収は400万円の壁をなかなか越えられませんでした。
ここで、ひとつだけ質問させてください。
あなたの今の上司の年収は、いくらですか?
実はその数字が、数年後のあなたの年収です。もし「えっ」と思ったなら、この記事はきっと役に立ちます。
僕はその後、年収を600万円近くまで上げることができました。スキルが急に伸びたわけでも、特別な資格を取ったわけでもありません。やったことは、もっと地味で、もっと確実な方法でした。

飲食店オーナー|ソムリエ
飲食業界歴20年以上。レストラン2店舗でマネージャーの経験があり、日本とイタリアのソムリエ資格を保持。現在は、夫婦で小さなワインレストランを経営しています。
実体験に基づいたレストラン業界での年収アップの方法や、IT素人がどこまでAIで店舗業務をラクにできるかを実験&発信中!
年収が「上がる店」と「上がらない店」を、働く前に見分けるポイント
僕が年収を300万円台から600万円近くまで上げた、具体的な動き方
採用する側(面接官)が、本当は何を見ているのか
僕は飲食業界で20年以上働き、その間に何度か転職を経験しました。採用する側として100人以上を面接してきた時期もあります。といっても「だから偉い」という話ではなく、遠回りも失敗もしてきたぶん、その経験を「あなたが最短で年収を上げる材料」にしてもらえたらと思っています。
飲食で年収を上げる一番の近道は「店を変えること」
身も蓋もない話に聞こえるかもしれませんが、これは僕の20年の実感です。
スキルを磨くことも、資格を取ることも、もちろん大切です。でもそれ以上に、「どの店で働くか」で年収の天井がほぼ決まってしまうのが飲食業界の現実です。

同じ仕事でも、店が違うだけで年収は変わる
僕自身、若い頃にカジュアルなお店で店長まで務めましたが、年収は300万円ほどで頭打ちでした。残業代もつきません。
ところがその後、大手企業が運営する高級業態の店に移ったところ、同じ「ホールの仕事」をしているのに、年収も待遇もはっきり変わっていきました。
仕事の中身が劇的に変わったわけではありません。変わったのは、働く環境(店)そのものでした。
カプリ同じ仕事なのに、そんなに変わるものなの…?



そうなんだ。だからこそ、どこで働くか、その”店選び”が一番大事なんだよ。
なぜ努力だけでは年収が上がらないのか
「努力すれば報われる」と信じてがんばっている人ほど、知っておいてほしい構造の話です。
飲食は利益が残りにくいビジネスだから
飲食業は、もともと利益が残りにくいビジネスモデルです。
国税庁の「民間給与実態統計調査」などを見ても、宿泊・飲食サービス業の平均給与は全業種の中でも低い水準にあります。これは個人の能力の問題ではなく、業界全体の構造によるものです。
特にカジュアルな個人店は、単価が低い分どうしても薄利多売になりがちです。利益の元手が小さいお店では、どれだけがんばっても、給料に回せるお金の上限が決まってしまいます。
だからこそ、「給料のベースが高いお店」で働くことが、年収アップの前提条件になります。
今の上司の年収が、数年後のあなたの年収
もうひとつ、転職を考えるときに役立つ視点があります。
それは、今あなたの上司がもらっている年収が、数年後のあなたの年収だということです。
店長の年収が400万円のお店で、その上を目指してがんばっても、たどり着く先はその少し上です。逆に、マネージャーが600万円もらえるお店なら、あなたの未来の選択肢もそこまで広がります。
>> 飲食店の給料が安い理由と年収を確実に上げるための秘訣3選



今の上司の年収が、未来の私の年収……ちょっとこわいかも。
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こわがらなくて大丈夫だよ。”その店の上の役職がいくら稼いでるか”を、求人情報やエージェントで先に調べておけばいいんだ。
年収が「上がる店」と「上がらない店」の見分け方
ここがこの記事の本題です。僕が実際に店を移るときに見ていたポイントを、4つにまとめました。
上がらない店の特徴
先に、避けたほうがいいお店の特徴から。
客単価が低く、回転率で利益を出している(薄利多売)
賞与・残業代の仕組みがない、またはあいまい
運営しているのが小規模で、資本に余裕がない
役職に空きがなく、上が詰まっている
こうしたお店は、働く人ががんばっても、給料に反映される余地がそもそも小さいのです。
上がる店の4つの条件
逆に、僕が「この店なら年収が上がる」と判断した条件はこの4つでした。
①給料水準が高く、接客の質が高い業態
②運営会社の”資本力”がある
③自分が惚れ込める商品を扱っている
④ポストが空いている


① 給料水準が高く、接客の質が高い業態
給料の高さはもちろんですが、僕は「接客の質が高いかどうか」も重視していました。質の高い環境で働くと、自分の所作やスキルも自然と磨かれます。それが次の転職での市場価値、つまり次の年収につながっていきます。
② 運営会社の”資本力”を見る
これは意外と見落とされがちですが、とても大事なポイントです。
見るべきは、そのお店単体の売上ではなく、運営している会社(親会社)の資本力です。たとえ一時的に経営が苦しくなっても、それをカバーできるだけの体力がある会社かどうか。資本に余裕のある会社が運営する店ほど、給料のベースも、雇用の安定も高い傾向があります。
「資本力なんて外から分かるの?」と思うかもしれません。実は、運営会社が上場していれば、IR(投資家向けの情報)で財務状況を確認できます。簿記が少し分かるだけで、その数字が読めるようになり、「この会社は安定しているか」を自分の目で判断できるようになります。
③ 自分が惚れ込める商品を扱う店
扱う商品やサービスに、自分が本当に魅力を感じられるか。ここも長い目で見ると重要です。
惚れ込める商品があると、仕事への情熱が続きます。情熱が続けば長く勤められて、結果として昇格のチャンスもめぐってきます。「給料がいいから」だけで選ぶと、続かないことが多いんです。
④ ポストが空いている店
新規オープンの店や、ちょうど役職に空きがある店は狙い目です。
ポストが空いていれば、若くても、経験が浅くても、役職に就けるチャンスがあります。役職に就けば、当然それだけ年収も上がります。僕自身、空いていたポストにタイミングよく入れたことで、キャリアが一段上がった経験があります。
「高級店=しんどい」は誤解。むしろ逆だった
ここで、多くの人が誤解していることを正直に話させてください。
「高級店なんて、自分には無理」「きっとハードでしんどいに決まっている」。そう思って、最初から選択肢から外してしまう人がとても多いです。
でも、現実はむしろ逆でした。
カジュアル店のほうが、単価が低い分だけ回転率を上げないといけません。お客様を次々にさばく薄利多売になりやすく、現場はバタバタしがちです。
そして何より、客層の落ち着きが違います。僕の経験では、高級店ではクレームらしいクレームはほとんどなく、いいお客様ばかりでした。これは「家賃相場が高い街ほど、住む人が落ち着いている」のと同じ理屈だと思っています。



高級店のほうが、むしろ働きやすいこともあるのね…!



そうなんだよ。ただ、ひとつだけ覚悟がいることもあるんだ。
ただし、誤解しないでほしいのは、「高級店=楽」ではないということです。
求められる所作やマナーのレベルは確実に高くなります。そこに見合うふるまいを身につける覚悟は必要です。でも、それは「お金を出して通うお客様にふさわしいサービスを学べる」ということでもあります。逃げずに身につければ、それ自体があなたの市場価値になります。
僕が年収を上げてきた「店の移り方」
参考までに、僕自身の年収の推移を載せておきます。あくまで「私の経験では」という一例ですが、店を変えることで何が起きるかの目安になればと思います。


ポイントは、年収が大きく動いたのが「店を変えたタイミング」だということです。同じ店の中での昇格よりも、給料水準の高い店に移ったことのインパクトのほうがずっと大きかった、というのが正直な実感です。
転職を成功させる準備|採用する側が見ている本音
「じゃあ、いい店に応募すればいいんだな」と思った人へ。もうひとつ、大事な話があります。
それは、採用する側が何を見ているかです。僕は面接する側に立っていた時期があるので、その視点から正直にお伝えします。
採用したくなる人の共通点
面接していて「この人と働きたい」と感じたのは、こういう人でした。
会社の理念や方針を理解した上で応募している
「自分はこうなりたい」という目標がある
目を見て、ハキハキと話す。清潔感がある
「自分が会社にどう貢献できるか」を語れる
特に、「会社にどんなメリットを提供できるか」を自分の言葉で言える人は、それだけで強い印象を残します。事前にそのお店に食事に来てくれていた、というのも、本気度が伝わってとても好印象でした。
不採用になる人の共通点
逆に、どんなに経歴が良くても採用を見送ったのは、こういうケースです。
交通費や福利厚生など、お金や条件の話ばかりする
話の主語がいつも「自分」で、会社への貢献が見えない
どこにでも出していそうな、使い回しの履歴書・職務経歴書
職歴に一貫性がなく、「なぜ飲食業界なのか」が伝わらない



条件の話ばかりすると、逆効果になっちゃうのね…



条件を聞くこと自体は悪くないよ。大事なのは”伝える順番”なんだ。
条件を確認すること自体は悪いことではありません。ただ、それを面接の最初に前面に出すと、「この人は自分のことしか考えていない」と受け取られてしまう。順番を変えるだけで、印象は大きく変わります。
※履歴書・職務経歴書の具体的な書き方や、面接対策の詳細は、別の記事でまとめる予定です。(準備中)
失敗しない転職の進め方
最後に、転職そのもので後悔しないための進め方を2つだけ。
条件だけで選ぶと後悔する
「給料が上がるから」「土日が休めるから」。そうやって条件だけで決めてしまうと、入ってから「思っていた仕事と違う」となりがちです。
僕の周りでも、条件だけで選んで早期に辞めてしまった人を何人も見てきました。給料や休みはもちろん大事ですが、「自分はどんな仕事をしたいのか」も一緒に考えて、総合的に判断するのがおすすめです。



正直、給料と休みだけで選びそうになってた…!



その気持ちは分かるよ。でも”どんな仕事がしたいか”も一緒に考えると、入ってからの後悔がぐっと減るんだ。
一人で探さない|飲食業界に強い転職エージェントを使う
そしてもうひとつ。転職は一人で抱え込まないことです。
求人サイトを眺めているだけだと、「給料水準が高い店」「資本に余裕のある運営会社」といった、外からは見えにくい情報まではなかなか分かりません。
そこで役立つのが、飲食業界に強い転職エージェントです。業界専門のエージェントは、表に出ていない求人や、お店の内情(離職率・残業の実態・運営会社の状況)にも詳しいことが多いです。
表に出ていない「非公開求人」を紹介してもらえる
離職率・残業の実態など、外から見えない店の内情が分かる
相談だけでもOK。今の自分の市場価値が分かる
「いきなり転職するつもりはない」という人も、登録して話を聞いてみるだけで、自分の市場価値や、世の中にどんな店があるのかが分かります。情報を持っておくこと自体が、損のない一歩です。
将来性やキャリアで迷っているなら
キャリアに迷うときは、悩みをいったん2つに分けると整理しやすくなります。ひとつは「飲食を続けるかどうか」、もうひとつは「続けるなら、何を武器にするか」です。
続けると決めたなら、給料水準の高い店へ移るのが一番の近道です。そのうえで、ソムリエのような資格は「資格が活きる店」で持ってこそ年収につながります。逆に、活かせない店ではせっかくの資格も宝の持ち腐れになりがち。まずは自分が今どちらで迷っているのかを、はっきりさせてみてください。
それぞれの道は、こちらの記事で詳しく掘り下げています。
>> 飲食店の正社員に将来性はある?|ホールスタッフのキャリアアップ方法3選
>> 飲食ホールでソムリエ資格は取るべきか|給料が上がる店・上がらない店の違い
どちらを選ぶにしても、「今より稼げる場所はどこか」という視点は、共通して役に立つはずです。
まとめ|店を変えれば、年収は変わる
最後に、この記事のポイントをまとめます。
年収アップの一番の近道は、スキルや資格より先に「給料水準の高い店」へ移ること
「高級店=しんどい」は誤解。むしろ働きやすいことも多い(所作を学ぶ覚悟は必要)
採用されるのは「会社にどう貢献できるか」を語れる人
転職は一人で抱えず、飲食業界に強いエージェントを使う
\ 上がる店を見分ける4条件 /
①給料と接客の質が高い / ②運営会社に資本力がある
③惚れ込める商品を扱う / ④ポストが空いている



がんばる方向を、”店選び”に向けるだけでいいのね。
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そういうこと。”稼げる場所”を見極めて、そこで努力するんだ。稼げない場所でいくらがんばっても、年収はなかなか上がらないからね。
がんばる場所を少し変えるだけで、未来は変わります。今いる場所で消耗し続ける前に、一度、自分の市場価値を確かめてみてください。
あなたの一歩を、心から応援しています。






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