ソムリエ一次試験は独学で受かる|現役ソムリエが教える勉強法と教材選び【2026年度版】

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・教本900ページ、独学で覚えきれるの?
・どの分野から手を付ければ効率がいい?

カプリ

教本をパラパラめくっただけで気が遠くなった…。これ、独学で本当に終わるのかな。

ローマ

大丈夫、独学でも一次は受かる。鍵は「重要分野から先に通る」こと。早めに通った分野は反復回数が自然と増えて、本番までに定着するんだ。

ローマ
飲食店オーナー|ソムリエ

飲食業界歴20年以上。レストラン2店舗でマネージャーの経験があり、日本とイタリアのソムリエ資格を保持。現在は、夫婦で小さなワインレストランを経営しています。

実体験に基づいたレストラン業界での年収アップの方法や、IT素人がどこまでAIで店舗業務をラクにできるかを実験&発信中!

ソムリエ試験で最も多くの受験者が脱落するのが、CBT方式の一次試験です。2026年度版の教本は808ページ。地理・品種・酒類・法規まで、暗記量だけで言えば、宅建や簿記2級に匹敵するボリュームがあります。

この記事は、一次試験「だけ」を突破するための実践ノウハウに絞ってまとめました。飲食歴20年・現役ソムリエの私が、自身の試験勉強と、独学で受かった後輩・スタッフ・知人を毎年見てきた経験から、独学組に必要な「分野ごとの進め方の順序」「暗記の習慣化」「陥りがちな罠」を整理しています

この記事で分かること

・1月〜7月の分野別勉強順序(重要分野先攻で反復回数を稼ぐ)

・半年続く暗記の習慣化テクニック(赤シート暗記・自作カード・トイレ貼り)

・CBT 2回受験の最適戦略と、独学で陥る2つの罠

なお、受験料や独学・スクールの判断軸、月別の全体スケジュール、合格率など、ソムリエ試験の全体像については別記事で整理しています。スケジュールや費用感をまだ把握していない方は、先にそちらを読んでから戻ってきてください。

>> ソムリエ資格は最短10か月で取れる|費用と独学・スクールの違いを実体験で解説

夜の書斎でワイン教本を開いて勉強するローマとカプリ
独学は孤独になりがち。でも、正しい順番で進めれば一次試験は必ず越えられます。
目次

結論|独学一次合格は「重要分野先攻」と「網羅反復」

細かいテクニックに入る前に、毎年受験者を見てきた結論からお伝えします。独学で一次を突破する人は、必ず「重要分野先攻」と「網羅反復」の2つを徹底しています

受かる人の共通点具体的な動き
① 重要分野先攻1月から酒類・醸造の基礎+フランス・イタリアなど大物から先に通る
② 網羅反復全分野を要点ノートに圧縮し、毎日反復して定着させる

「重要分野先攻」とは、出題比重が高く、ボリュームのある国から先に着手するという意味です。具体的にはフランス・イタリアが二大巨頭。ここを早めに通せば、残りの期間で何度も反復でき、自然と定着率が上がります。

逆にやってはいけないのが、教本のページ順に頭から進めること。教本どおりに進めると、後半に登場する国(新世界など)にたどり着く頃には時間切れになり、暗記が手薄なまま本番を迎えます。

ワインスクールや市販の対策本も、フランスから始めて世界各国へ広げる順序で組まれています。独学でも、この「重要分野先攻」の順序をなぞるのが王道です。

カプリ

具体的に、どの国からどの順番で進めればいいの?

ローマ

次の章で、スクールのカリキュラムを参考にした月別の順序を具体的に書くよ。これに沿えば、独学でも迷わず進められる。

一次試験の勉強の進め方|重要分野から順に通す

独学者が教本を開いて最初に迷うのが、「どの章から手を付けるか」です。多くの人がいきなり1ページ目から進めて、3月の時点でフランスの章にすら入れずに息切れします。

独学で受かる人は、教本の章順ではなく「出題比重×ボリューム」の順で攻めます。早めに通った分野ほど、後半で何度も反復することになるので、定着率も自然と上がる。これが「重要分野先攻」の本質です。

1月〜7月の月別勉強順序

独学者が実際に組むべき月別順序が、こちらです。前年版の教本があれば1月から助走を始め、3月に新教本が届いたら正本に切り替えます。

時期攻める分野なぜこの順番か
1月勉強の習慣立ち上げ+酒類概論・ワイン醸造の基本全分野の土台。教本前半。毎日机に向かう生活リズムを作る
2〜3月フランス出題比重・教本ボリューム共に最大。最初に通せば反復回数を稼げる
3〜4月イタリア2番目に重要。DOCG全76銘柄+主要DOC
4月スペイン・ドイツ・ポルトガル・オーストリアヨーロッパ主要産地。ドイツは2026年で+4ページ増・要注意
5月日本出題頻度が高い。GI・主要産地・品種を確実に
5〜6月アメリカ教本ボリューム大・出題比重高め。AVA・主要産地を網羅
6月オーストラリア・NZ・南アフリカ・チリ・アルゼンチン新世界。主要産地中心で押さえる
6〜7月全分野の総復習+問題集を集中演習直前期。早めに通った分野の総仕上げ
独学の勉強順 月別ロードマップ(1月基礎→フランス→イタリア→欧州中堅→日本→アメリカ→新世界→総復習)
重要分野先攻の月別ロードマップ。フランス・イタリアを先に通して反復回数を稼ぎます。

1月|勉強の習慣立ち上げ+酒類・醸造の基本

1月の最大の目的は、「毎日勉強する習慣」を立ち上げること。社会人になってから何年も勉強から離れていた人ほど、机に向かう生活リズムを取り戻すのに時間がかかります。私自身も、勉強のやり方を思い出すのに最初の1か月近くかかったのを覚えています。

1月から扱う内容は、教本の前半に並んでいる酒類概論とワインの醸造・栽培の基本です。ここは全分野の土台になる部分で、地理の暗記に比べると分量も少ないので、勉強リズム立ち上げの教材として最適です。

※2026年度版の教本では、醸造の章に「揮発酸」「全房発酵」などの実務用語が追加されました。現場のソムリエ同士の会話によく出る用語なので、今後の出題も注目しておく必要があります。

2〜3月|フランス|最大ボリュームを最初に押さえる

フランスは、出題比重・教本ボリュームともに圧倒的1位。ここを最初に押さえるのが「重要分野先攻」の核です。具体的には、ボルドー格付けシャトー(61シャトー)・ブルゴーニュ・グラン・クリュ・AOC主要地区・主要品種を、2〜3月で一気に通します。

2月にフランスを通せば、3〜7月の5か月間で毎月のように反復チャンスが回ってきます。逆に、フランスを後回しにすると、本番直前にこの大物を詰め込むことになり、他の分野が全て手薄になります。

3〜4月|イタリア|DOCG全銘柄を網羅する

イタリアは、フランスに次ぐ2番目の大物。DOCG全銘柄は必須です。バローロ・バルバレスコ・ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ・キャンティ クラッシコなど、有名どころはすべてDOCG(最上位格付け)

「これはDOCだろう」と思い込みやすい銘柄も、実はDOCGに昇格しているケースが多いので、1つずつ正確に押さえてください。

一方、DOC(DOCGの一つ下の格付け)は数が非常に多く、すべて暗記するのは現役ソムリエでも不可能です。DOCについては、市販対策本や問題集で「頻出」として絞り込まれている範囲だけ覚えれば十分。DOCGは全銘柄・DOCは頻出のみ、という線引きを最初に決めておくのが大事です。

ローマ

ポイントは線引きやで。DOCGは全部、DOCは頻出だけ。ここを最初に決めておくと、イタリアでパンクせずに済みます。

4月|スペイン・ドイツ・ポルトガル・オーストリア|ヨーロッパ主要産地

ヨーロッパの中堅産地を一気に通します。スペインのDOCa(リオハ・プリオラート)、ドイツのVDP格付け・13指定生産地域、ポルトガルのDOC、オーストリアのDAC。2026年度版ではドイツが+4ページと最大増なので、特にドイツは重点的に。

5月|日本|出題頻度の高い穴場

日本は出題頻度が高い割に、独学者が後回しにしがちな分野です。GI(地理的表示)・主要産地(山梨・長野・北海道など)・主要品種(甲州・マスカット・ベーリーA)は確実に押さえてください。日本酒・焼酎の知識も同じタイミングで通します。

5〜6月|アメリカ|ボリューム大・侮れない

アメリカは教本ボリュームが多く、出題比重も高い分野です。カリフォルニアのAVA(ナパ・ソノマ等)を中心に、ワシントン・オレゴンの主要産地も網羅します。2026年度版ではアメリカが+2ページと微増。

6月|新世界|オーストラリア・NZ・南アフリカ・チリ・アルゼンチン

新世界は主要産地と代表品種を押さえる程度で十分です。オーストラリアのバロッサ・マーガレットリヴァー、NZのマールボロのソーヴィニヨン・ブラン、南アフリカのステレンボッシュ、チリのマイポ、アルゼンチンのメンドーサなど、頻出ワードを中心に。

6〜7月|直前期|要点ノート反復+問題集3周

6月以降は、教本そのものを開く時間は減ります。代わりに、1月から作り続けてきた要点ノートと問題集をひたすら周回する時間に切り替えます。教本は「地図」、要点ノートは「武器」。地図で全体を把握した後は、武器を磨き続ける時間に集中するのがコツです。

ローマ

早めに通った分野ほど、後半で何度も反復することになる。フランスを2月に通せば、3〜7月の5か月で何周もできる。これが「重要分野先攻」の最大のメリットだよ。

暗記3つのコツ|半年続く習慣の作り方

独学で挫折する人の大半は、暗記の方法そのものよりも「続けられない」で潰れます。気合や意志力でなく、半年間勝手に続く「仕組み」を作るのが、合格への一番の近道です。

コツ①|「ノートにまとめて覚える」を基本の型にする

独学者が陥りやすいのが、「読むだけで覚えた気になる」パターン。これでは定着しません。暗記の基本は、次の4ステップを固定の流れにすることです。

暗記の基本4ステップ

【STEP1|読む】 教本をまず黙読する

【STEP2|線を引く】 重要箇所にアンダーライン(教本に直接書き込む)

【STEP3|まとめる】 要点を自分の字でノートにまとめる(重要語は赤ペン)

【STEP4|覚える】 赤シートで隠して、思い出す訓練を反復する

私自身は、重要単語を赤ペンで書き、透明の赤シートで隠して暗記する方式を使っていました。ただ、これは人によって合う・合わないがあります。一番大事なのは「自分の字と言葉でノートにまとめる」こと。書くという作業自体がアウトプットになり、ただ読むよりも記憶に残ります。

赤シートで隠す・声に出す・何度も書く——仕上げ方は、自分に合う方法を選んでください。

コツ②|暗記必須の項目は「単語カード」でスキマ時間に

ノートにまとめた中でも、格付けシャトーやDOCGのように暗記が必須の項目は、単語カードに移してスキマ時間に覚えるのがおすすめです。表に問題、裏に答えを書いて、通勤中・休憩中にめくるだけ。

自分の手で書くこと自体が最初の暗記になり、めくって思い出す作業が復習になります。覚えにくい項目に絞って作れば、机に向かえない日でも勉強を止めずに済みます。

コツ③|暗記を「生活動線」に埋め込む

「特別な勉強時間を毎日2時間確保する」は、社会人にとって最も難しい方法です。人間の集中力はそこまで続きませんし、忙しい日は真っ先にその時間が削られます。むしろ効くのは、生活動線そのものに暗記を組み込むことです。

生活動線に溶かす2つの型

① 毎日の行動とセットにする

【寝る前5分】 メイン学習のあと、格付けシャトーを軽くチェック

【朝のコーヒー中】 問題集を5問だけ解く

【通勤の電車内】 単語カードを開いて「自動暗記タイム」に

② いつも目に入る場所に貼る

【トイレ・部屋の壁】 ワイン地図・ボルドー格付け一覧を貼る(1日に何度も視界に入る)

「特別な勉強時間」を作ろうとすると、忙しい時に真っ先に削られます。日常の動線に勝手に組み込まれる暗記に変えれば、サボろうとしても勝手に手が動きます。

ローマ

暗記は「特別な時間」じゃなくて「日常の動線」に置く。これが半年続く人と続かない人の最大の差だよ。

CBT 2回受験の最適戦略|「1回目で受かる覚悟」が結果を分ける

ソムリエ一次試験のCBT方式は、2018年から導入されました。テストセンターのパソコンで受験する形式で、出題範囲・難易度は紙時代と変わりませんが、期間内に最大2回まで受験できるのが最大の特徴です。

私自身が受験したのは紙時代でCBTではありませんでした。ただ、今もし受験するなら、迷わず2回受験で申し込みます。

1回受験と2回受験の差額は4,900円(2025年度実績で32,900円→37,800円)。2回受験で申し込んで1回目に合格すれば差額は返ってきませんが、それでも私なら「保険料」として飲み込むリスクだと考えます。

最適スケジュール|1回目「7月中旬〜下旬」/2回目「8月末」

多くの受験生が組む標準的な日程は、次のパターンです。

2回受験の標準スケジュール

【1回目|7月中旬〜下旬】 本命受験。これに照準を合わせて勉強する

【2回目|8月末】 保険。落ちた場合のリトライ枠

CBT2回受験の最適スケジュール(1回目7月中旬〜下旬が本命・2回目8月末が保険)
本命は必ず1回目に。7月中旬までに「80点取れる状態」を目指して走り切ります。

1回目を早めに設定する利点は、「もし落ちても、2回目までに約1か月の追い込み時間が残る」こと。逆に、1回目を8月の中盤以降に置くと、もし落ちた場合の再挑戦の時間がほぼ取れません。

「2回目が本命」だと、たいてい博打になる

2回受験できるとはいえ、「1回目は雰囲気を見るための記念受験、本命は2回目」という考えはおすすめしません。私が見てきた中で落ちる人は、たいていこのパターンに陥っています。

2回目に照準を合わせると、1回目までに試験範囲が仕上がりません。結果、1回目は手応えのないまま終わり、「残り1か月で間に合わせる」という最も苦しい状況に自分を追い込むことになります。

そもそも、1回目・2回目と区切って考えるのが間違いのもとです。正しいのは、7月中旬の1回目までに、80点以上を取れる状態に仕上げるという意気込みで走り切ること。この目標がないと、2回受験できてもただの博打になってしまいます。

2回目はあくまで、体調不良や想定外のミスで落ちた場合の保険。頭の中の本命は、常に1回目に置いてください。

カプリ

「2回受けられる」と聞くと、つい1回目で気を抜いてしまいそう…。

ローマ

そう、そこが落とし穴。「7月中旬までに完成させる」と決めて走るからこそ、結果的に1回で受かる。2回目は使わずに終わるのが理想だよ。

独学で陥る2つの罠|先輩が踏んだ失敗から学ぶ

ここからは、私自身と、私が見てきた多くの受験生が踏んだ「2つの罠」をお伝えします。知っているだけで回避できるものばかりなので、ぜひ頭に入れておいてください。

罠①|地名・品種名を「カタカナ読み」だけで覚える

これは私自身がやらかした失敗です。フランス語が分からないからと、教本のフランス語表記を全部カタカナに書き直してノートにまとめていました。例えば「Pauillac」を「ポイヤック」、「Saint-Émilion」を「サンテミリオン」と全部カタカナで暗記していたのです。

ところが、本番の試験は全部その国の言葉でしか出題されません。フランス語の地名・畑名・品種名は、原語のまま出てきます。カタカナだけで暗記していると、「Pauillac」を見た瞬間に「これは何だっけ…」と固まることになります。

正解は、原語のままノートに書いて、その横にカタカナでふりがなを振る。これだけで本番に対応できます。私自身、これに気付いたのが5月で、ノートを書き直す羽目になりました。最初から原語に慣れておく意味でも、必ずこの方法で進めてください。

罠②|「勉強がてら一杯」が、ただの飲み会になる

勉強の合間に、気分転換でワインバーに行きたくなる気持ちはよく分かります。「品種や産地の勉強にもなるし、一石二鳥やん」と思うかもしれません。

ですが、受験生じゃない人と一緒に行くと、最後は必ずただの飲み会になります。「勉強しに来た」と最初は思っていても、ワインが進むほどに会話は仕事や恋愛や趣味の話に流れて、気付けば終電。翌日は二日酔いで勉強に手がつかない。

これで一次試験に落ちた人を、私は何人も見てきました。本当に。

原則はシンプルです。

一次試験中・お酒のルール

【原則】一次試験が終わるまでは、お酒を控える

例外として飲むなら|学びのある試飲会だけに絞る(ただの飲み会には行かない)

ワインバー巡りは二次試験対策で|テイスティングが必要になる一次合格後に回す

カプリ

一次が終わるまでお酒を控えるのは、ワイン好きには地味にキツいなあ…

ローマ

わかるで。でも控えるのは半年だけ。一次を抜けたら、二次対策で堂々とテイスティングできる日が来ます。今が我慢のしどころです。

対策本&問題集の選び方|「絞った教材を周回する」

独学者が一番迷うのが、教材選びです。書店に行けば10冊以上の対策本が並んでいて、どれを買えば良いか分からなくなります。

結論から言うと、対策本1冊+問題集1冊の合計2冊で十分です。むしろ多すぎると消化不良で点が落ちます。「教材を増やすほど落ちる」のがこの試験の鉄則です。

対策本|解説中心の1冊で「知識を整理」する

対策本は、教本の解説版として使います。教本の硬い表現を噛み砕き、頻出ポイントを章ごとに整理してくれる1冊があると、独学のスピードが一気に上がります。

定番中の定番は、杉山明日香さんの『受験のプロに教わる ソムリエ試験対策講座〈2026年度版〉』。9年連続売上No.1で、ワイン地図帳が付くのも独学者には心強い1冊です。

問題集|CBT対策の主役・1500問を周回する

独学者にとって、本当の主役は問題集です。教本と対策本で知識を入れたら、あとはひたすら問題を解いて「出題形式に慣れる」+「過去問頻出を覚える」のサイクル。これが一次突破の本道です。

同じ杉山さんの『ソムリエ試験対策問題集〈2026年度版〉』は、CBT方式に対応した徹底1500問+ワイン地図問題付き。過去問頻出を絞り込んでくれているので、独学者はこの1冊を3周することに集中すれば、必要な範囲は十分にカバーできます。

※どちらも毎年改訂版が出ますが、最新版(その年の年度版)が発売されるのは例年4月ごろです。1月に勉強を始める時点では前年版しか手に入りません。

そのため、1〜3月は前年版で助走し、4月に最新版へ切り替えるのがおすすめ。前年版と最新版で内容の8〜9割は同じなので、前年版での助走は無駄になりません。ただし本番前には、改訂で変わった箇所を最新版で必ず確認してください。

問題集の正しい使い方|ブロックごとに「暗記→即演習」

問題集の使い方で独学者が最もやりがちな失敗が、「全分野を暗記してから、最後にまとめて問題集を解く」やり方です。前章で触れたとおり、これは遠回り。正解は分野(ブロック)ごとに小分けにして、暗記したらすぐにその範囲の問題を解くことです。

具体的な流れはこうです。

ブロック学習の4ステップ

【STEP1】 教本・対策本から大事な箇所を、ノートに自分の字と言葉でまとめる

【STEP2】 そのブロックを暗記する(赤シート・書いて覚えるなど自分に合う方法で)

【STEP3】 暗記できたら、すぐにそのブロックの問題集を解く

【STEP4】 間違えた箇所を確認し、ノートに戻って覚え直す

ブロック学習の4ステップ(ノートにまとめる→暗記→すぐ問題集→間違いをノートに戻る)
暗記→即演習をブロックごとに回すのが定着の近道。問題集の集中演習は直前1か月で十分です。

「フランスを覚えた→フランスの問題を解く」「イタリアを覚えた→イタリアの問題を解く」と、ブロックごとにインプットとアウトプットをセットにする。これを繰り返すほうが、知識がはるかに定着します。

そして、問題集を通しで集中的に解くのは、試験直前の1か月で十分です。それまでにブロックごとの「暗記→演習」を一通り終えておけば、直前期は弱点の総ざらいに集中できます。

カプリ

暗記してすぐ問題を解くと、何がいいの?

ローマ

覚えた直後に「使う」と、どこが曖昧かすぐ分かる。間違えた箇所はノートに戻って覚え直す。この往復が、記憶を一番強くするんだ。

働きながら合格する|接客業ならではの強みの活かし方

飲食ホールで働きながらソムリエ試験を受ける方は、勉強時間の確保で悩むことが多いはずです。私もそうでした。当時、毎日13〜14時間働いて、休みは月に7日あればいいほうでした。

それでも一発合格できたのは、接客業ならではの強みを使い切ったからです。同じ環境の方に、特に効いた戦略を共有します。

前提|試飲会・ショップ巡りは「一次試験のあと」でいい

本題に入る前に、接客業の方が誤解しやすいポイントを1つ。試飲会への参加やワインショップ巡りは、ワインの香りや味を体で覚える作業なので、主に二次試験(テイスティング)の対策になります。一次試験の知識暗記とは、ほぼ別物です。

つまり、試飲会やショップ巡りに本腰を入れるのは、一次試験が終わってからで十分。一次の勉強期間(1月〜7月)にこれを頑張りすぎると、貴重な暗記の時間が削られてしまいます。

一次試験の勉強中、勝負どころはただ1つ。机に向かう時間を、どれだけ確保できるかです。シフト勤務で時間を取りにくい人ほど、ここをシビアに考える必要があります。

ローマ

飲食で働いてると「試飲会も勉強のうち」と思いがちだけど、一次対策としては遠回り。一次が終わってから、二次に向けて思い切り飲み比べたらいいよ。

戦略①|「ソムリエ試験を受ける」と周囲に公言する

試験を受けると決めたら、まず周囲に「ソムリエ試験を受ける」と公言してしまうこと。これには、合格をたぐり寄せる2つの効果があります。

1つ目は、自分自身が動き出す効果です。「夢は公言すると叶いやすい」とよく言われます。これは精神論ではなく、人は一度目標を口に出すと、その言葉どおりに行動して帳尻を合わせようとする生き物だからです。

古今の成功者や偉人が「願いはまず口に出せ」という趣旨の言葉を残してきたのも、この効果を知っていたからでしょう。「受けます」と言った手前、勉強せざるを得ない状況に、自分を追い込めます。

ローマ

公言は「やらざるを得ない状況」を自分で作る技術。根性論やなくて、合格率を上げる立派な戦略です。

2つ目は、周囲が協力的になる効果です。私の場合、店長を任されていたこともあり、「試験頑張ってるなら」の一言で、空いた時間を勉強に充てさせてもらえたり、スクール日程に合わせて休みを調整してもらえたりしました。黙って一人で頑張るより、はるかに勉強環境が整います。

ただし、ここには覚悟が必要です。周囲に協力してもらった以上、合格まで(せめて一次試験突破まで)持っていかないと、「あの時応援してもらったのに…」と自己肯定感が下がる結果になりかねません。リスク・リターンを理解した上で、公言するなら本気で挑む。これが鉄則です。

戦略②|「スクールのカリキュラム」を進度のものさしにする

独学の最大の弱点は、自分の進度が速いのか遅いのか分からないことです。これを解決する方法が2つあります。

1つ目は、ワインスクールの試験対策講座ページを見ること。各スクールのカリキュラムには「何月にどの国を学ぶか」が明記されています。これを進度のものさしにすれば、「今は5月だからイタリアまで終わっていれば順調」と客観的に判断できます。

ローマ

独学はゴールが見えにくいのが弱点。スクールの「何月に何をやるか」を物差しにすれば、自分の遅れに早う気づけます。

2つ目は、周りの受験生から情報収集すること。飲食ホールで働いていれば、同じ業界で受験する知人・先輩・取引先のスタッフがいるはずです。彼らの進度と比べて、自分が著しく遅れていないかを意識しておく。これだけで「気づいたら手遅れ」を防げます。

もしカリキュラムの目安から大きく遅れていると感じたら、スクール途中参加も選択肢です。多くのスクールは4〜6月でも途中参加を受け付けています。挫折してからでは遅いので、早めの判断がカギになります。

独学者の保険|途中参加できる2校

どちらも一次対策コース・短期集中コースの設定があり、4〜6月の途中参加にも対応しています。資料を見比べておくだけでも、自分の進度を客観視するベンチマークになります。

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ローマ

独学を成功させるためにも、選択肢を1つだけにしない。これが結果的に合格率を一番高める判断軸だよ。

まとめ|独学一次合格は「重要分野先攻」と「網羅反復」

長い記事になりましたが、最後にまとめます。ソムリエ一次試験は、独学でも十分に突破できます。ただし、漠然と教本を読むだけでは確実に潰れます。受かる人は、必ず次のポイントを早い段階で押さえています。

教本の章順ではなく、「出題比重×ボリューム」の順で進める(1月:酒類・醸造/2-3月:フランス/3-4月:イタリア/4月:欧州中堅/5月:日本/5-6月:米国/6月:新世界)

早めに通った分野ほど反復回数が増える。フランス・イタリアは絶対に先攻する

暗記は「読む→アンダーライン→自分の字でノートにまとめる→反復」(赤シート等は自分に合う方法で)

特別な勉強時間は作らない。日常動線に暗記を埋め込む

CBT 2回受験は前提にしつつ、1回目で受かる覚悟で挑む

地名・品種名は原語のまま暗記受験生以外との飲み会は控える全部覚えてから問題集にしない

対策本1冊+問題集1冊で十分。ブロックごとに「暗記→即演習」、問題集の集中演習は直前1か月で

試飲会・ショップ巡りは一次試験のあとでいい(主に二次対策)。一次中は机に向かう時間が勝負

スクールのカリキュラムを進度のものさしに。著しく遅れたら早めにスクール途中参加も検討

一次試験を突破できれば、二次のテイスティング・三次の論述/実技は、勉強の手応えを掴んだ状態で進められます。逆に、一次でつまずくと、その年は受験そのものが終わります。独学で挑むなら、1月から動き出すこと・重要分野から先に通すこと。この2つが全てです。

ソムリエ一次試験に合格して喜ぶローマとカプリ
正しい順番でコツコツ進めれば、独学でも必ず合格に届きます。

この記事を読んでくれた方が、来年の今頃にソムリエバッジを手にしていることを、心から願っています。

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この記事を書いた人

飲食業界歴20年以上。レストラン2店舗でマネージャーを経験し、日本とイタリアのソムリエ資格を保持。現在は妻と小さなワインレストランを営むオーナーソムリエです。
このブログでは、実体験にもとづく飲食業界での年収アップ術と、IT素人がどこまでAIで店舗業務をラクにできるかの実験を発信しています。

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