カプリ常連さんを増やしたいけど、何から始めればいいのかしら…?
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戦略的に常連客を増やすのって、難しいよね。でも順番に整理すれば大丈夫。


飲食店オーナー|ソムリエ
飲食業界歴20年以上。レストラン2店舗でマネージャーの経験があり、日本とイタリアのソムリエ資格を保持。現在は、夫婦で小さなワインレストランを経営しています。
実体験に基づいたレストラン業界での年収アップの方法や、IT素人がどこまでAIで店舗業務をラクにできるかを実験&発信中!
この記事では、飲食店で働きながら自分のファンを作る接客のコツを解説します。独立を考えている方が、開業前から常連客の土台を仕込むための実践ガイドです。
結論を先にお伝えします。ファンを作る接客のコツは、次の5つです。
呼ばれる前に動く「すみません」を言わせない気配り
9割がそのまま注文する「型」への誘導
全員に名刺を渡して顔と名前を覚えてもらう
顧客メモとさりげない会話で「覚えてくれてる」を作る
情報はチームで共有して休日も応対できる体制を作る
ファンは、将来独立したときの最初のお客様になる可能性が高い存在です。私自身、コロナ禍に開業して救われたのは、前職から応援してくださっていたファンの方々でした。
本文では、そもそも顧客とファンは何が違うのか、ファン化できる人が必ずやっている「姿勢」の話、そして独立時に前職ファンを合法的に資産化する方法まで、順を追って解説します。
ファン客と常連客・新規客の違い|なぜファン化が売上を安定させるのか
新規客・常連客・ファン客は何が違うのか
一口に「お客様」と言っても、関係性には段階があります。
新規客は、価格・立地・ジャンルなど条件が合って来店した方です。別の店にも流れやすく、紹介にはつながりにくい層です。
常連客は、何度か足を運んでくれる方。ただし「近所だから」「値段がちょうどいいから」という理由で通っているケースもあり、競合が現れると離脱リスクがあります。
ファン客は、お店やスタッフ個人に愛着を持ち、周囲に紹介までしてくれる方です。競合が現れても目移りせず、長期的な関係が続きます。



同じ「何度も来てくれる」でも、理由が違うのね。
ファンは「お店」ではなく「人」につく
ファンは、ほとんどの場合「人」につきます。お店は人が作るものだからです。
「シェフが変わったから味が好みじゃなくなった」「知っているスタッフが誰もいなくて寂しかった」。こうした声は、現場でよく耳にします。
料理・サービス・内装が揃っていても、最後に印象に残るのは「人」の顔です。だからこそ、スタッフ一人ひとりが顧客との信頼関係を築けるかがカギになります。
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お店の空気に溶け込みつつ、自分らしさも出す。このバランスが大事です。
ファン化が売上を安定させる2つの理由
ファン客が増えると、経営が安定します。理由は大きく2つあります。
1. 率直な意見がもらえる
初来店のお客様は、感想を聞いても「美味しかったです」で終わりがち。ファンは、お店の成長を願って踏み込んだ意見をくれます。良い意見は強みの言語化に、悪い意見は改善の起点になります。
2. 本気で応援してくれる
定期的な来店と口コミで評判を広げてくれるだけでなく、ソムリエ試験や独立準備といった個人の挑戦まで応援してくれます。あなたの評価が社内でも自然と高まります。
飲食店で自分のファンを作る5つの接客のコツ
ここからが本題です。現場で私が実践してきた5つのコツを紹介します。


①呼ばれる前に動く|「すみません」を言わせない気配り
顧客が「お水を注いでほしい」と感じてからスタッフを呼ぶまで、必ず時間差があります。このインターバルが小さな不満を積み重ねます。
防ぐ方法はひとつ。常にお客様のテーブルへ意識を向けることです。
私の基準は「1つのテーブルから3分以上目を離さない」。呼ばれる前に動けるかどうかが、ファン化の第一歩です。



呼びたい時にすぐ近くにいてくれると、安心感があるわよね。
②9割がそのまま注文する「型」への誘導法
初来店のお客様がメニューを見たあと、多くの方が「このお店のおすすめは?」と考えます。高級店ではそれを尋ねるのをためらう方もいます。
ここで有効なのが、「顧客の好みを聞いてから、自分の型に当てはめる」テクニックです。


ワインの場合はこう進めます。
- 事前に提案パターン(型)をいくつか用意しておく
- 「どんなタイプがお好みですか?」と好みを聞く
- 回答に沿って、用意しておいた型を提案する
私の経験では、9割以上のお客様が提案した型をそのままオーダーしてくださいました。顧客は「相談しながら自分の好みに合うものを選べた」という満足感を得られます。
レストランサービスの基本動作は、こちらの記事で体系的にまとめています。
>>レストランサービスの6つの基本|お客様の心をつかむための具体的アクション
③全員に名刺を渡す|顔と名前を覚えてもらう低コスト最強ツール
ご来店いただいたお客様には、全員に名刺をお渡しする。これを徹底するだけで、ファン化のスピードが変わります。
名刺を渡す理由は3つ。
- 顧客の名刺をいただくきっかけになる
- きちんと挨拶する流れが作れる
- 顧客に名前を覚えてもらえる
高級レストランでは名刺交換が成立しやすく、次回の予約で名前を指名いただけることも増えます。これほど低コストで効果が出るツールは、ほかにありません。



(カプリメモ)名刺は常に財布に数枚入れておこう。
いただいた名刺には、日付とお客様の特徴を必ずメモします。これだけで関係性が一段深くなります。
職場で名刺を作ってもらえない場合は、自作でも十分です。無料デザインツールの「Canva」なら、数百円から価値ある名刺が作れます。
>>飲食店デザイン術|CanvaとChatGPTでコスト削減と魅力UP
④顧客メモとさりげない会話|「覚えてくれてる」を作る
ファン化の加速装置が、顧客メモの活用です。住まい・記念日・嗜好・趣味など、些細なことでも記録します。
初回で把握した好みを、2回目以降で活かします。「以前、鴨肉がお好きと伺ったのでコースに加えました」といった一言で、特別感が一気に生まれます。名前でお呼びするのも有効です。
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特別扱いされて嫌な気分になる人は、少ないですしね。
会話で出た話題を実践するのも効果的です。お客様が好きと言ったワインを試したり、おすすめの映画を観たり。次回の来店時に感想を伝えると、印象がガラッと変わります。
前回の指摘は、2回目までに必ず直します。放置されていると3回目はありません。逆に改善されていれば、「一緒にお店を育てている」という愛着につながります。
私は伝票の隅に走り書きし、当日中に整理しています。現在はレストラン経営の中で予約管理ツール「TableCheck」で顧客情報を管理しています。
⑤情報はチームで共有|休日も応対できる体制を作る
ここまで準備ができたら、情報を自分だけで抱え込まないことが大切です。
お客様からお電話や予約をいただいたとき、誰が対応しても同じ温度感で迎えられる状態を作ります。
リピートしたのに「気に入っているスタッフがいない」のは、顧客にとって大きなマイナスです。休みの日でも連絡が届くようにしておけば、サプライズでお店に顔を出すこともできます。
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謙虚になりがちなところだけど、情報は共有した方がチーム全体で対応しやすいですよ。
独立志望のスタッフが「前職ファン」を資産にする方法
独立を視野に入れているスタッフが、働きながら最も気になるのがここでしょう。「築いた顧客との関係を、開業後にどう活かせるのか」という論点です。
結論から言うと、合法的に活用する方法はあります。ただし踏み越えてはいけないラインが明確に存在します。


①顧客リスト持ち出しは違法|個人情報保護法と不正競争防止法の境界線
まず押さえるべき大前提です。顧客リストの持ち出しは法律違反です。
名刺は「会社の看板を背負ったあなた」に渡されたもので、個人の資産ではありません。個人情報保護法と不正競争防止法に抵触し、個人なら1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があります。
データベースをコピーして持ち出す、リストを撮影する、一斉案内のためにメールアドレスを控える。これらはすべてアウトです。



知らずにやっちゃったら大変なことになるのね…
②SNSは「受け身」で|合法的に繋がりを残す3つの方法
では、関係性をどう残すか。鍵は「受け身」です。
1. SNSは顧客からのフォローを待つ
在職中から発信を続けておけば、お客様の方から見つけてフォローしてくださいます。こちらから個別にDMで営業するのはNGです。
2. 開業情報は問い合わせに応じて伝える
こちらから一斉案内を送るのはリスト持ち出しと同義とみなされますが、顧客からのリクエストに応じて開業情報を伝えることは可能です。
3. 公開情報として発信する
開業したお店のオープン情報を、公開アカウントで発信するのは問題ありません。お客様が検索で辿り着けるルートを確保しておきましょう。
私の場合、開業後に疎遠だった前職のお客様が、しばらく経ってからSNS経由で連絡をくださることが少なくありませんでした。間口は広く持っておくのが得策です。
③最強ルートは前職スタッフからの紹介|開業前に挨拶しておく
前職の顧客を自分のお店に誘導するのに、一番効果的なのは前職のスタッフからの紹介です。私自身もこのパターンが多かったです。
そのために、開業前に前職へ挨拶に行き、お店のコンセプトを伝え、ショップカードや名刺を渡しておきましょう。スタッフが正確に情報を伝えられるようになります。
前職のスタッフと良好な関係を築くコツは、こちらの記事にまとめています。
>>飲食店独立や転職を成功させるための秘訣|職場で良い人間関係を築くための5つのヒント
ファン化できるスタッフが必ずやっている「お客様に興味を持つ」習慣
ここまで5つの接客のコツを紹介しました。ただ、テクニックの一歩手前に、絶対に外せない「姿勢」があります。
それが、お客様に興味を持つことです。



興味を持つって、具体的にはどういうことかしら?
①なぜ「興味を持つ」が最大の差別化になるのか
接客マニュアルで「挨拶を丁寧に」「笑顔で」と教わります。ただし、それは誰でもできます。
差がつくのは、お客様一人ひとりに対して「もっと知りたい」という関心を向けられるかです。
興味があれば、自然と質問が出てきます。仕事のこと、住まいのこと、今日の出来事。その積み重ねが「自分のことを覚えてくれている」という安心感を生みます。
興味がなければ、どれだけ所作が美しくても、会話は表面的になります。お客様はそれを敏感に感じ取ります。
②興味を持つ人が実践している3つの行動
私が見てきた「ファンを持つスタッフ」には、共通する行動パターンがありました。
1. 雑談の中で情報を拾う
「今日は雨ですね」で終わらせず、「お仕事帰りですか?」「この辺りにお住まいですか?」と一歩踏み込みます。ただし詮索にならない距離感が大切です。
2. 次の来店で必ず覚えている
前回の話を覚えていて、「そういえばあのお仕事、どうなりましたか?」と自然に聞ける。これだけでお客様は感動されます。
3. 自分の話も開示する
一方的に聞くだけではなく、自分の経験や失敗談もシェアします。お客様との関係が「サービス提供者」から「一人の人間」に変わる瞬間です。
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僕自身、ソムリエ試験の勉強をしていた時期、応援してくださったお客様の存在が本当に大きかったです。
③興味を持てないお客様にどう向き合うか
正直に書きます。すべてのお客様に同じ熱量で興味を持つのは、難しいことです。
合わないと感じるお客様もいます。そんなときは、「なぜ合わないと感じるのか」を自分に問うようにしています。
先入観で壁を作っていないか。表面的な印象だけで判断していないか。掘り下げてみると、意外な接点が見つかることも多いのです。
ファン化は「万人に好かれる」ことではありません。自分の人柄を自然体で出せる相手を、一人ずつ増やしていく作業です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 顧客リストの持ち出しは本当に違法なのか?
はい、違法です。個人情報保護法と不正競争防止法に抵触し、個人なら1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があります。名刺も「会社宛に渡されたもの」なので、個人の資産として持ち出すのはアウトです。私自身、開業準備中にこの線引きを徹底的に確認しました。
Q2. 独立前にお客様とLINE交換しても良いのか?
お客様から求められた場合に応じるのは問題ありません。ただし、こちらから営業目的で交換を持ちかけるのはリスクがあります。私は在職中、個人的にお客様から連絡先を求められたときのみ、店のルールを確認したうえで対応していました。公開SNSでの発信にとどめておくのが、最も安全な選択肢です。
Q3. 名刺交換は全員にすべき?高級店でしか意味がないのでは?
全業態で有効だと、私は考えています。カジュアル業態でも、顔と名前を覚えてもらえるメリットは変わりません。業態に合わせて名刺のデザインやトーンを調整すればよいだけです。名刺を作ってもらえない職場なら、Canvaで自作できます。月数百円のコストで、得られる効果は桁違いです。
Q4. ファン化するのにどれくらいの期間がかかるか?
個人差はありますが、最低でも半年から1年は見ておいた方がよいでしょう。私の経験では、2〜3回の来店で「会話を楽しみに来てくださる関係」になり、半年ほどで「紹介してくださる関係」に育つイメージです。焦らず、一人ずつ丁寧に向き合うのが結果的な近道です。
まとめ|ファンは一晩では増えない、でも一歩ずつ積み上げれば必ず返ってくる
飲食店で自分のファンを作る接客のコツを、5つに整理しました。
- 呼ばれる前に動く「すみません」を言わせない気配り
- 9割がそのまま注文する「型」への誘導
- 全員に名刺を渡して顔と名前を覚えてもらう
- 顧客メモとさりげない会話で「覚えてくれてる」を作る
- 情報はチームで共有して休日も応対できる体制を作る
そして、5つのコツの土台にあるのが「お客様に興味を持つ」姿勢です。
独立を考えているなら、開業後に活かせる関係性は合法ラインを守りながら育てましょう。顧客リストの持ち出しは違法。SNSは受け身。前職スタッフとの良好な関係が、最も効果的なルートになります。
ファンは一晩では増えません。でも一歩ずつ積み上げれば、独立後にあなたを支えてくれる最大の資産になります。
あなたの努力を、私は応援しています。
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またお会いしましょう。









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