レストランで働くホールスタッフの悩みだよね。
私はレストランサービス経歴17年、そのうち2店舗でマネージャー経験があり、日本とイタリア双方のソムリエ資格を取得しています。現在は小さなレストランを順調に経営していますが、過去にはたくさんの失敗を繰り返してきました。
この記事では、「お客様の心をつかむための具体的な6つのアクションプラン」を紹介します。
・レストランサービスの本質を理解する
・身だしなみチェックと徹底した準備
・お客様目線でのサービスを提供する
・空間作りでお客様を魅了する
・コミュニケーションで信頼関係を構築する
・アフターケアで顧客満足度を高める
これらを実践できたなら、あなたはきっとお客様から愛される存在となります。また、職場でも必要とされ、給料アップも見込めます。
なになに?ぜひ知りたいわ!
私が17年間かけて培ってきたノウハウと経験を凝縮した内容です。
本気でレストランサービスを学びたい人は、ぜひ最後までお読みください。
レストランサービスの本質|お客様の心をつかむために必要なこと
レストランサービスは魅力的な仕事
この文章を読んでいるあなたは、レストランでサービス業に従事しているか、少なくとも興味を持っている方だと思います。あなたはどのような経緯でこの仕事につき、どのような印象を持たれていますか?
私が感じるのは、この仕事が持つ特別な魅力です。
命の危険性がほとんどなく、お金を頂いて直接「ありがとう」と言われる機会が多い数少ない職種。さらに、普段はなかなか接することができない方々、たとえば医師や弁護士、大企業の経営者などと対等にお話しできる場でもあります。
的確な判断力と提案力、コミュニケーション能力は求められますし、肉体的にも決して楽な仕事ではありません。しかし、得られる達成感や充実感は何にも代えがたいものだと感じています。
レストランは、「美味しい料理を提供すること」がもっとも重要だとは考えていませんか?
Googleマップの口コミを見てみると、評価が低いレストランの多くは、スタッフの態度や行動に関するコメントが目立ちます。つまり、料理だけでなく、スタッフのサービスや対応が、レストランの評価に大きな影響を与えるのです。
「レストランサービス」は、お客様がご予約をくださった瞬間から、退店後のフォローまで、すべてが一つの流れとして繋がっています。お客様の満足度を高めるためには、細部まで心を配り、サービス全体を一貫させる事が欠かせません。
スタッフ全員で「お客様を満足させる」という目的を目指しているのね!
サービスの本質はお客様の期待を超えるサプライズ
電話やメールの対応から、すでにお店の評価は始まっています。話し方や雰囲気、人となりは、文章や電話ごしの口調からでも十分に伝わります。
逆に、初対面から好印象を残すチャンスでもありますので、忙しいときでも、落ち着いて丁寧に対応しましょう。どうしても時間が取れないときや人手が足りない場合は、後から折り返しのご連絡をさせて頂くことも、1つの方法です。
私は、「レストラン」という舞台において、普段は黒衣(くろご)のように目立たず、常に耳を澄ませる事が重要だと考えています。そして、必要なときには、そっと寄り添うような対応が求められます。このような繊細な気配りが、サービスの質を高め、お客様に安心感を与えるのだと思います。
さらに、サービス業の本質は、お客様の期待を超えるサプライズを提供することにあります。
たとえば、私のレストランで70名以上のビュッフェ形式のケータリング注文がありました。総額1日で100万円近い売上が見込める大きなイベントです。私たち夫婦2人で経営している小さなレストランでは、とても1日2日で準備できるものではなく、準備には相当な努力が必要でした。
当日の前日、関係者のお子様が10名追加で参加することが分かりました。幹事からは「子供も同じ料理でいい」と言われましたが、私はシェフと相談し、子供用のお弁当を別で10人前用意しました。
当日、この「お子様弁当」が大好評で、幹事からも「これほどの料理を準備して、さらにサプライズのお弁当まで用意してくれたことに感動した」と言っていただき、それ以降も継続してご利用いただいています。
感動を与えることで対価を得る仕事は、アーティスト以外ありません。サプライズで感動を与えることを仕事としているシェフやレストランサービスも同様、「アーティスト」であると言えるのではないでしょうか。
レストランサービスの成功を左右する徹底準備と細やかな確認
お客様をお迎えするための身だしなみチェックリスト
まず、清潔感と身だしなみは基本的な要素ですが、非常に重要です。新入社員のときに言われることも多いと思いますが、中堅のスタッフでも意外と出来ておらず、第一印象で損している方もいらっしゃいます。
女性スタッフ向けチェックリスト
項目 | チェック内容 |
---|---|
制服の状態 | 清潔でシワがなく、破れや汚れがないか確認。 |
髪の整え方 | 長い髪はきちんとまとめられているか。清潔感があり、過度に派手でないか。 |
手と爪の状態 | 爪が短く整えられており、清潔であるか。ネイルが派手でなく、清潔感が保たれているか。 |
靴の状態 | 靴が汚れておらず、破れやすり減りがないか。 |
口腔ケア | 口臭対策がされており、歯が清潔であるか。 |
メイク | メイクがナチュラルで清潔感があるか。 |
香り | 香水やフレグランスが過度でなく、適度に使用されているか。 |
アクセサリー | アクセサリーが控えめで、音が出るものを着用していないか。ピアスや指輪が清潔感があり、派手でないものか確認。 |
名札の状態 | 名札が正しく付けられ、名前がはっきり見えるか。バッジも正しく装着されているか。 |
汚れやすい靴は毎日チェックが必要ね!
男性スタッフ向けチェックリスト
項目 | チェック内容 |
---|---|
制服の状態 | 清潔でシワがなく、破れや汚れがないか確認。 |
髪の整え方 | 髪型が整っており、清潔感があり、過度に派手でないか。 |
手と爪の状態 | 爪が短く整えられており、清潔であるか。 |
靴の状態 | 靴が汚れておらず、破れやすり減りがないか。 |
口腔ケア | 口臭対策がされており、歯が清潔であるか。 |
髭の状態 | 髭が整えられており、清潔感が保たれているか。 |
香り | 香水やフレグランスが過度でなく、適度に使用されているか。 |
アクセサリー | アクセサリーが控えめで、音が出るものを着用していないか。指輪が清潔感があり、派手でないものか確認。 |
名札の状態 | 名札が正しく付けられ、名前がはっきり見えるか。バッジも正しく装着されているか。 |
通勤で汗をかきやすい夏場は、体臭予防のためのスプレーや汗拭きシートも効果的です。ただし、必ず無香料のものを使いましょう。
僕も自転車通勤だったので汗拭きシートは必須だったよ!
レストランサービスは準備8割で成果が決まる
スタッフ間のコミュニケーションが重要
お客様がご来店された際に、スムーズで一貫したサービスを提供するためには、スタッフ同士のコミュニケーションが欠かせません。なにかとやることが湧いてくるのが飲食店の営業ですが、開店前のミーティングを端折ることは禁物。
必ず各スタッフの動線や役割分担を確認し、どのテーブルに誰が対応するか、アレルギー食材などの特別なリクエストがあった場合の対応などを共有しておきましょう。これにより、チーム全体で一体感を持ってサービスを提供することができます。
準備はゆとりをもって行う
セッティング、店内の掃除や準備など、細かな部分は各レストランによって異なりますが、心地よい空間をつくるためには、準備時間に余裕を持つことも大切です。準備中にイレギュラーな対応が発生することも多いため、想定時間の1.5倍くらいを見込んでちょうどいいと私は思います。
お客様をお迎えする前の少し時間でも、シルバーや食器に磨き残しがないか、グラスに異臭がないかをチェックしましょう。
ゆとりをもった早めの出勤が大切だね。
【蟹臭いグラスの話し】
私は、数年前から毎年訪れている、日本海に面した料亭旅館があります。
ここでは、地元で採れた鮮度の良いカニが名物で、「蟹づくしコース」をお腹いっぱいになるまで提供してくださいます。お料理がとても美味しく、家族揃って大好きな旅館です。
「うまい食材のあるところには、旨い酒あり」
通常お酒は地酒がメインで、それを楽しんでいましたが、ある時、ワインの持ち込みをしたので、グラスの貸出しをお願いしました。そのグラスが大問題だったのです。お借りした4脚とも全て、蟹の臭いが染み付いていたのです。交換を申し出ましたが、またもや全て同じ結果。
食器拭きとグラス拭きが兼用で使われていたことが想像できましたが、義両親も一緒だったので、ことを荒げる真似はしたくなく、渋々そのグラスで最後まで飲みました。
気合いを入れて準備をした高価なワインが、最後まで蟹の香りに包まれていました。まさに蟹づくしコース(泣)
自身の働くレストランで、こんな経験をお客様には絶対にさせてはいけません。
お客様目線で提供する最高のサービス|成功のカギはお客様になりきること
お客様目線になるコツは店内を観察して感じること
レストラン内の空間では、お客様目線で考えることが非常に重要です。
私は、開店準備が完了してからお客様をお迎えするまでの間に、店の入口から店内へと歩き、実際に客席に座って、顧客の視点を体感します。その後もお客様用トイレに行ったり、お客様をご案内する場所があれば、そこも歩き回ります。
こうすることで、「小さな気になること」を発見することが多いです。例えば、照明やディスプレイボトルのホコリや汚れ、空調の風向きや照明の位置などが挙げられます。これらを見つけた際には、必要に応じて適宜、微調整を加えます。
また、私がマネージャーを務めていた前職では、スタッフとよく「ロールプレイ」を行っていました。AさんとBさんが60代の美食家ご夫婦役、私がサービス担当役、そしてCさんが客観的に見る役、というように役割を決めます。
ロールプレイ中に突っ込みがあっても途中で止めず、最後に皆でフィードバックを行います。各自の視点から多様な意見が出るため、スタッフ全体のサービス力向上にとても効果的です。特に見習いのスタッフがロールプレイを担当することが多いですが、上司が率先して行うことも重要だと考えています。
なぜなら、「新入社員が目標とする人物は、少し先を行く先輩」だからです。
新入社員が先輩の料理説明や仕草を模倣することはよくありますが、これは成長の一環として重要です。
茶道の「守破離」精神のように、まずは模倣から始め、次に自己流を加え、最終的にはオリジナルの「型」を作り出すのです。
先輩が惜しみなく技術を伝えることが、自身をも楽にする一番の近道なのだと私は思います。
後輩がいる立場なら、常に見られている意識が必要だね!
「レストランサービス技能検定」の資格取得をおすすめしない理由
国家検定「レストランサービス技能検定」の資格取得を検討している方も多いかもしれません。以下は、レストランサービス技能検定の1級から3級についての情報をまとめた表です。
等級 | 筆記試験費用 | 実技試験費用 | 合計費用 | 試験内容 | 合格率 | 平均勉強時間 |
---|---|---|---|---|---|---|
1級 | 6,500円 | 23,500円 | 30,000円 | 高度なサービス技能・理論 | 約30% | 300時間 |
2級 | 6,500円 | 16,000円 | 22,500円 | 中級レベルのサービス技能・理論 | 約50% | 200時間 |
3級 | 6,500円 | 13,000円 | 19,500円 | 基本的なサービス技能・理論 | 約70% | 100時間 |
上級になるほど費用と勉強時間は増えるのに、合格率は下がるのね。(汗)
あらかじめお伝えしますが、私自身はこの資格を取得していません。
資格取得をされた方の努力は素晴らしいと思いますし、資格内容もまったく否定しません。サービスの実務に大きく貢献できることと思います。
しかし、このブログは「レストランを個人で開業したい方」に向けて書いています。すでに資格を取得された方には言葉がきつく感じる箇所もあるかと思いますが、そんな方は読み飛ばしてください。
私の考えは、以下の2つの条件に当てはまる方のみ、3級の取得を視野に入れても良いと思います。
・若手でレストランサービス業界に入りたての方
・高級レストランや一流ホテルでのサービス経験がない方
上記以外の方には、費用対効果が低い可能性があるので取得をお勧めしません。
なぜかというと、この資格を取得しても、受験料のお金を給料で回収することが難しいからです。3級の場合では約2万円。税引き後で2万円を得るには、額面上の給料は2万3千円が必要です。
私が考える「自己投資」とは、投資したお金が回収できて、更には給料が上がることに繋る出費のことです。それ以外の勉強は、語弊を恐れずに言うと「趣味」にあたります。
そのため、私は給与アップに結びつく可能性の高い「ソムリエ資格」の取得をおすすめしています。ソムリエ資格は、レストラン業界でのキャリアアップに非常に有効ですし、昇給も見込めます。
キャリアアップを考えている方には参考になると思いますので、ぜひこちらもお読み下さい。
リンク|ソムリエ資格の具体的なメリット:社内評価アップと独立後の権威性(coming soon)
3級の試験内容を見たところ、高級レストランや一流ホテルで働けば自然に身につく内容がほとんどです。どんな仕事でも同じですが、実践での経験に勝るものはありません。とはいえ、若手の方やホテルサービスの経験がない方にとっては、「正しいサービス」を学ぶ最短ルートではありますので、3級の資格取得の検討余地はあるかと思います。
2級以上の上級資格に関しても同様ですが、独立を目指す方にとっては必要ないと考えています。
必要な勉強時間が長く、合格率が低い。また、実技では「デクパージュ(料理の取り分け)」の課題もあります。
デクパージュ自体は、私自身も現場で何度も経験していますし、レストラン空間を演出するには素晴らしい技術だと思います。もっと技術を追求したい、と考えた時期もありました。しかし、それなりのレストランで働けば、経験を積むことも出来ますし、必要なときに現場で習得すればよいと、今では考えています。
そして、このブログで開業を目的とする「個人レストラン」では、デクパージュが必要な場面はほとんどありません。
そもそも少人数体制となるため、「高度なデクパージュに割く時間があまりない」といったほうが正しいです。
ですので、会社員で働くうちは、「必要な技術のみを学ぶこと」「開業資金をためること」「給料が高い立場に身をおくこと」これらを考えて行動することが、独立までの最短ルートです。
独立のためには、論理的思考を持って周りに流されない覚悟が必要ね。
お客様を魅了するレストラン空間作り|サービスと演出で差をつける秘訣
立ち振舞いとマナー
レストランサービスにおいて、お客様を魅了する空間作りは、細部へのこだわりと丁寧な演出が鍵を握ります。まず、立ち振る舞いは第一印象を決めます。背筋を伸ばし、目を合わせながら、はっきりとした声で話すことで、信頼感と安心感が伝わります。
シルバーやお皿は持つ部分を意識し、動作は音を立てずに丁寧に行う必要があります。
お水をそそぐ場合は、ウォーターピッチャーの水滴は事前にふき、お客様のグラスには手を触れずにそそぐか、一番口元から遠い底の部分を持ってサービスしてください。そそぐ目安は8分目、見た目の美しさも意識しましょう。
料理の提供やバッシング(片付け)の仕方にはレストランごとにルールがありますが、共通して「丁寧に、素早く、美しく」を念頭に置きましょう。
レストランマナー的には「お皿を下げて欲しい合図」をされている場合でも、さり気なく一言添えることをお勧めします。経験上、慣れないお客様が意図せず置いていることもあります。
料理ジャンルによって違うのね。知らなかったわ。
youtubeで「レストランサービス」と検索すると、たくさんの実演動画が出てきます。
職場にお手本になる先輩がいる環境がベストですが、そうでない場合はネットの情報からサービス技術習得のトレーニングをする方法もおすすめです。
私も過去に、好きなソムリエの方のサービス方法を完コピするため、自宅で鏡ごしにひっそりと練習を繰り返していました。
店内での配慮と演出
店内では、従業員同士のコミュニケーションにも注意が必要です。会話は控え、意思疎通は耳元でささやく程度にとどめることで、お客様に不快感を与えないようにします。シルバーの音やスタッフの動きが耳障りにならないよう、細心の配慮が求められます。
客席であっても、お客様が置いてけぼりになるスタッフ通しの会話はNGだよ。
ときには、大きな声で会話をされているお客様への対応も必要です。柔らかい口調で注意し、全体の雰囲気を保つことが必要です。
さらに、照明や音楽は、空間の雰囲気を決定づける重要な要素です。お客様の状況に応じて、照明の明るさや音楽の音量を調整し、心地よい空間を提供することが求められます。
インテリアも統一感を持たせ、視覚的に満足できる空間を作ることが重要です。特に、独立開業を目指している方は、美的感覚を磨く必要もあります。会社員時代から、さまざまなレストランのインテリアや照明、音楽を参考にし、感性を養うことをおすすめします。
お客様の来店されてからのトイレの清掃頻度も、私は重視しています。
「高級レストランのトイレが汚れていた」なんて幻滅は、天から地に落とされるようなもの。お客様がトイレから出てこられたら、少しの時間を置いて必ずチェックしましょう。床や便器の汚れがないかを確認するだけなら、ピーク時でも確認が可能です。
お客様との距離感を縮める信頼関係構築術|リピーターを増やす秘訣
笑顔での挨拶や丁寧な対応が、お客様との信頼関係を築くための第一歩です。
お客様が何を求めているかを感じ取り、積極的にコミュニケーションをとっていきましょう。お客様の名前で呼びかけることも、親しみを持っていただくために効果的です。
ただし、「同席者と過ごす時間」を邪魔しすぎることの無いよう、物理的にも心理的にも適度な距離感を保つことが重要です。過度に踏み込みすぎず、自然な距離で接客することを心掛けましょう。
距離感を縮めるためのアプローチ方法としては、以下のものなどがあります。
・趣味や興味のある話題から自分との共通点を見つける
・顧客の細かなリクエストに基づいたサービスを提供する
・リピーターの嗜好を把握し、サプライズを提供する
しかし、私たちの忘れてはならない最重要ミッションは「レストランでの時間を最大限に楽しんで頂くこと」です。
ときおり、お客様との会話に夢中になりすぎてしまうスタッフを見かけますが、担当テーブルが複数ある場合、他のテーブルのお客様は放置状態となってしまいます。
プロフェッショナルなレストランサービスを提供するには、「お客様と会話をしながら、頭では2手3手先のサービスを考える」ことが出来なければなりません。
そして、このスキルは現場でしか磨けない技術ですので、なるべく忙しいレストランで経験を積むことをおすすめします。
顧客との信頼関係を構築する方法は、こちらの記事でも詳しく解説しています。
»顧客をあなたのファンにする方法を徹底解説
食後のチャンスを逃すな!顧客満足度を引き上げるアフターケア
レストランサービスは、お客様が退店するまで続いています。私は、着席されての最初の5分間とお食事後の最後の5分間が、お客様へ自分を印象付ける最も重要な瞬間だと考えています。
まず、最初の5分間では、お客様に対する観察力や提案力をアピールすることが出来ます。
例えば、真夏のピークに同時刻に来店された2組の顧客がいるとして、「駅から歩いて来られた顧客」と「家からタクシーで来られた顧客」では、対応が異なります。
前者には、冷たいおしぼりやお水が必要かもしれないと判断できますし、後者には、すぐさまグラスシャンパーニュを提案することで、特別な時間の始まりを演出できるかもしれません。このように、顧客の状況に合わせた細やかなサービスが、サービススタッフとしてのあなたの評価を大きく左右します。
最後の5分間では、その日の料理やワインについて感想を尋ねたり、ちょっとした雑談を交えることで、親密な関係を築くチャンスとなります。名刺をお渡しし、きちんとご挨拶をすることも、食後のタイミングが望ましいと私は考えています。
(カプリメモ)名刺は切らさないよう常に携帯しないとねっ!
「サービス開始前に名刺を渡してご挨拶をするべきだ」、という意見もあるかと思いますが、経験上、お料理とサービスでお客様を魅了したあとでお渡ししたほうが、お客様の名刺を頂けるケースが多いように思います。ですので、私はサービス開始前は軽い挨拶に留めておき、最後の5分間でしっかりと自己アピールをおこないます。
退店後も、手書きのサンキューレターを送ったり、メールやお電話でご案内を行うことで、お客様との関係性を維持することが出来ます。これらを他のスタッフに任せるのではなく、あなた自身でおこなうことで、あなたの存在を特別なものとして印象付け、顧客満足度をさらに高めることができると考えています。
レストランサービスの基本をマスターし、ファン獲得を目指そう
今回は、レストランサービスには、重要な6つの基本があることをお伝えしました。
これらの行動を実践することで、お客様からあなたへの評価は、限りなく高いものになると確信しています。
また、将来的に独立を目指されている方にとって、「満足度の高い顧客」は「あなたの未来のお店の顧客」を意味します。
「信頼」は、一朝一夕で得られるものではありませんが、失うことは一瞬です。そうならないためにも、常に真摯で丁寧な接客を心がけ、あなたのファンを増やしていきましょう!
あなたの努力を、私は応援しています!
またお会いしましょう!
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