
私も数字って苦手なのよね、、、数字だらけの資料をみると考える気がなくなっちゃう、、、
飲食店経営を成功させる上で、情熱やスキルと同じくらい大切なのが、お店のお金の流れを理解し、管理をする力。その土台となるのが、「簿記の知識」です。
私は飲食業界で20年以上働き、レストラン2店舗でマネージャーを経験、日本とイタリア双方のソムリエ資格を取得しました。現在は個人で小さなワインレストランを経営しています。
以前勤めていた会社で、「貸借対照表ってなに??なんて読むの?」というレベルで、経営会議について行けないことが恥ずかしくなり、簿記を学習しました。簿記を学びだすと「経営」に関しての解像度が高くなり、お店やビジネスを見る視点が劇的に変わったことを今でも覚えています。
この記事では、飲食店で働く人になぜ簿記の知識が必要なのか、その理由と、簿記を効率よく学ぶための方法を、私の経験も踏まえて分かりやすく解説いたします。
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簿記は、経営の世界の「ひらがな」。知っていると知らないのでは大違いなので、一緒に学んでいこう!
簿記の知識はなぜ必要なのか?飲食店経営で数字に弱いと陥る失敗例
「美味しいものや素晴らしいサービスを提供していれば、お客さんは来てくれるはず!」
その気持ちは大切ですし、過去の私もそう信じてました。しかし、それだけではお店を長く続けることは難しいのが現実です。数字を軽視した、いわゆる「どんぶり勘定」には、思わぬ落とし穴がいくつもあります。


気づいたときはもう遅い!「どんぶり勘定」の落とし穴
どんぶり勘定とは、お金の出入りを感覚的にしか把握できていない状態のことです。
「今月は忙しかったから、かなり儲かったはず!」と思っていても、月末に計算してみたら「あれ?思ったより利益が出ていない…」なんてことが起こり得ます。



忙しいけど儲かってないなんて…めっちゃ悲しいわね…
人件費や家賃、光熱費など、飲食店にはたくさんの経費がかかります。売上だけを見ていては、本当の利益は見えません。
知らないうちに赤字が膨らみ、気づいた時には経営が立ち行かなくなるリスクもあるのです。
黒字なのに支払いができない!黒字倒産の恐怖
「帳簿上は利益が出ているはずなのに、なぜか仕入れ代金が払えない…」
これは「黒字倒産」にも繋がりかねない危険な状態です。
売上の入金タイミングと、経費の支払いタイミングのズレによって、手元に必要な現金がなくなってしまうのです。日々の現金の流れ(キャッシュフロー)を把握していないと、こうした事態に陥りやすくなります。
※黒字倒産とは?もっと詳しく教えて!
例えば、今月の売上が100万円で、すべてPayPayで支払いをされたとします。
また、販売した商品にかかった原価40万円を、翌月15日払いで買掛金(後払い)にしていたとします。
PayPayの入金のタイミングが翌月末である場合、100万円は翌月末にしか手元にきません。しかし、その前の翌月15日には40万円を支払わなければなりません。入金より先に支払いのタイミングがきますが、支払いができなければゲームオーバー。試合終了です。
便宜上、省略していますが、実際はPayPayの決済手数料や、今月以降の仕入れ原価も混在して発生するので、もっともっと複雑になります。
このように、売上はあっても、支払いのためのお金が手元にないと、お店は続けられなくなってしまいます。
簿記の知識がないと融資や補助金の申請にも不利になる
お店を成長させるためには、時に外部からの資金調達が必要になることもあります。例えば、銀行や公庫からの融資、国や自治体の補助金などです。
しかし、これらの申請には、日々の経営状況を示すデータや、説得力のある事業計画書(特に収支計画)が不可欠です。数字に基づいた説明ができなければ、金融機関などからの信用を得ることは難しく、成長のチャンスを逃してしまうかもしれません。
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どんぶり勘定は、いわば目隠し運転のようなもの。どこに向かっているのか、危険が迫っていないかを、全く分かっていない状態なんだよ。
簿記を学ぶメリット3選|経営の羅針盤を手に入れよう!
簿記の知識を身につけると、どんぶり勘定によるリスクを避けられるだけでなく、経営において羅針盤を手に入れたかのように、自信を持って進むべき道を見極められるようになります。


メリット1|お店の経営状況を把握して的確な判断ができる
簿記を学ぶと、「損益計算書(P/L)」や「貸借対照表(B/S)」といった財務諸表が読めるようになります。これらは、お店の「健康診断書」のようなものです。「どれくらい儲かったか」「財産や借金はどれくらいあるか」といった経営状況を、数字で正確に把握できるのです。
お店の健康状態が分かれば、問題点や改善点が見えてきます。感覚だけでなく、事実に基づいて判断できるため、経営に対する漠然とした不安が減り、自信を持ってお店の舵取りができるようになるでしょう。
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数字を通して経営全体を見る視点が養われ、より的確な戦略を立てられるようになるよ!
メリット2|お金の流れを管理できて資金繰りが安定する
簿記は、日々の取引を記録し、お金の流れ(キャッシュフロー)を管理するための技術でもあります。いつ、どれくらいのお金が入ってきて、いつ、どれくらい出ていくのか。この流れを把握することで、「来月の支払い、大丈夫かな?」といった不安を減らし、計画的な資金繰りが可能になります。



お金の流れが見えると、精神的な安心感が全然違うよね!
メリット3|資金計画の説得力が増して融資や補助金に有利になる
融資や補助金の申請において、正確な数字に基づいた事業計画書は必須です。簿記の知識があれば、あなたは自信を持ってこれらの書類を作成できます。そして、審査担当者に対して、あなたの事業の健全性や将来性を、数字で具体的に示すことができるのです。
また、健全な収支計画は、融資を受けるときの金利にも影響します。
「健全な事業計画」と判断された場合は、低金利で融資されることが多いし、逆に、計画に甘さが見られると判断された場合は、融資を受けられなかったり、条件が悪くなったりすることもあります。
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僕も簿記2級を取得していたおかげで、融資担当者からも信頼され、低金利で融資を受けることができたよ。
どこまで学ぶ?飲食店経営に必要な簿記レベルの目安
「簿記が大切なのは分かったけど、どのレベルまで勉強すればいいの?」多くの方が疑問に思う点ですよね。
結論、まずは「日商簿記3級」の知識を確実に身につけること。これが飲食店経営のスタートラインとして強く推奨されます。
まずは必須!日商簿記3級で経営の基礎を固めよう
日商簿記3級は、個人商店や小規模な会社の経理に必要な基礎知識を学ぶ資格です。
具体的には、日々の取引の記録方法(仕訳)、帳簿の付け方、決算書の基本的な作成方法(損益計算書・貸借対照表)などを学びます。
小さな個人飲食店を開業し、経営していく上で、この3級の知識があれば、日常的な経理業務や確定申告の基礎は十分にカバーできます。 まさに、経営者として最低限身につけておきたい「数字の読み書き」のスキルと言えるでしょう。
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日商簿記3級は、合格のための勉強時間は60〜80時間程度。1日1〜2時間の勉強で、2ヶ月くらいあれば十分に合格が狙えるよ!



目指せ!日商簿記3級合格!明確な目標があれば、何だか頑張れそうね!
簿記2級は必要?|知っておきたい注意点と学習の考え方
「3級の勉強が面白かったから、2級も目指してみようかな?」
そう思う方もいるかもしれませんね。もちろん、知識を深めること自体は素晴らしいことです。
しかし、小さな個人飲食店を開業・経営するという目標においては、簿記2級の資格取得は必ずしも必要ではないと考えています。
その理由は、近年の簿記2級試験の難易度上昇と、学習内容にあります。2級では株式会社の会計処理など、より高度な内容を学びますが、特に難関とされる「連結会計」などは、個人経営の飲食店には直接関係のない分野です。
合格に必要な勉強時間も、一般的に250時間以上、人によってはそれ以上かかると言われています。開業準備や他のスキルアップで忙しい中、この時間を確保するのは簡単なことではありません。
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僕も3回目の受験で合格したけど、トータルで300時間以上は勉強したよ。「ここまで勉強のに不合格、、、悔しいから何が何でも受かってやる!!」っと、最後はムキになっていたのを覚えているね、、、笑
ただし、2級の知識が全く役に立たないわけではありません。 特に、2級で学習する「工業簿記(原価計算)」は、多角的な原価計算の考えに役立ちました。より複雑な財務諸表を読む力がつけば、経営分析の視点が広がることも事実です。
結論、まずは簿記3級の知識をしっかり固めることが最優先。 これで経営の土台は作れます。
もし、3級をマスターした上で、「もっと深く学びたい」「将来的に法人化も考えている」といった明確な目的と、十分な学習時間を確保できる見込みがあれば、2級に挑戦するのも良いと考えます。



他のスキルアップやキャリアアップに時間をかける方が、良い手段である場合が多そうね!実際に必要だと感じたときに2級の学習を開始しても遅くないもんね!
どうやって学ぶ?忙しいあなたにおすすめの勉強法:クレアール体験談


「簿記の勉強、始めたいけど時間がない…」「何から手をつければいいか分からない…」
そんな忙しい飲食店スタッフの方に、私が実際に試しておすすめしている勉強法は、オンライン教材の「クレアール」を活用することです。
なぜオンライン学習?忙しい日々にフィットする学び方
オンライン学習には、通学にはないメリットがたくさんあります。まず、時間と場所を選ばないこと。通勤中や休憩時間、休日など、スマホやPCがあればいつでもどこでも学習できます。
次に、自分のペースで進められること。分からない所は何度でも講義動画の視聴ができますし、得意な所はどんどん先に進めます。
そして、費用がリーズナブルなこと。人件費が多くかかる通学型のスクールに比べて、「クレアール」は録画された講義で学習します。質問は迅速に24時間体制で受けてくれますが、授業自体の人件費が抑えられるので、受講料はとってもお安いです。
私がクレアールを選んだ理由と実感したメリット
数あるオンライン講座の中でも、私が簿記2級まで取得する際に活用したのが「クレアール」です。
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僕がクレアールを選んだ理由は、「合格」に必要な範囲に的を絞った効率的な学習法と、価格の安さに魅力を感じたから。実際に使ってみて、良かった点を紹介するね!
- 学習範囲がコンパクト: 試験に出やすい重要ポイントに絞り込んでいるので、効率的に、最短ルートで合格を目指せます。
- コスパが良い:教材やサポートの質を考えると、受講料はかなり安いと感じました。定期的にキャンペーンをやっていますが、うまく利用できると1万円ちょっとで受講が可能です。
- 1年間受講保証:申し込みをしてから1年間は、何度でも受講ができます。試験に不合格となった場合でも、1年間の時間のゆとりと負けない意識があれば、いつかは必ず合格します。
- 知識が定着しやすい:テキストと講義動画でインプットをして、すぐに問題集でアウトプットをすることを推奨されていますので、学びが確実に身につく実感があります。
- 模擬テストが充実している:本試験さながらの模擬テストは、実際に出題された問題もたくさん出てきました。
- サポート体制:分からない点は回数制限無しで24時間質問ができるので、悩む時間はありません。そもそも分かりやすい授業内容だったので、私がサポートを利用したのは1回のみです。
もちろん、学習スタイルには相性がありますが、「クレアール 簿記 評判」などで検索してみると、多くの合格者の声が見つかるはずです。簿記3級合格を最短で目指す上で、クレアールは非常に有力な選択肢の一つだと、自信を持っておすすめします。



オンライン講義なら、通勤や隙間時間でも学習ができそうね!さっそくクレアールを調べてみるわ!
経営の重要指標!損益分岐点を分かりやすく理解しよう
飲食店を経営する上で、絶対に理解しておきたい重要な考え方の一つが「損益分岐点」です。


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損益分岐点とは「売上と費用がちょうど同じになるポイント」のこと。損益分岐点は、日商簿記2級で学ぶ内容なんだけど、飲食店経営でもすごく大事な考え方だから、簡単に解説していくね!
お店の費用には、大きく分けて二種類あります。一つは家賃や給料のように、売上があってもなくても毎月一定にかかる「固定費」。もう一つは材料費のように、売上が増えれば増える「変動費」です。
損益分岐点は、この「固定費」を、売上から「変動費」を引いた儲け(限界利益と言います)で、ちょうどカバーできる売上高を示しています。
損益分岐点を知る4つのメリット|目標を明確に把握しよう
損益分岐点を知ることができると、経営の目標設定や判断が格段にしやすくなります。
具体的な売上目標をたてることができる
例えば、あなたのお店の損益分岐点が月100万円だと分かれば、「最低でも月100万円は売り上げないと赤字になる」という明確な目標ができます。日々の売上目標も立てやすくなりますね。
価格設定のヒントを得られる
例えば、看板メニューのパスタを1,000円から1,100円に値上げしたら、損益分岐点がどう変わるか(必要な販売数がどう変わるか)を予測できます。
値下げする場合も同様に、どれだけ販売数を増やす必要があるか考えられます。価格変更が経営に与える影響をシミュレーションできるのです。
コスト削減の効果を予測できる
例えば、仕入れの工夫で材料費(変動費)を削減できると、以前より少ない売上高で損益分岐点に到達できるようになります。
家賃(固定費)が下がった場合も同様です。コスト削減努力が、どれだけ利益を出しやすくするか(損益分岐点を下げるか)を具体的に確認できます。
経営の安全度を測れる
例えば、損益分岐点が100万円のお店で、今月の売上が150万円なら、50万円の余裕があります。しかし、売上が110万円なら、余裕は10万円しかありません。
実際の売上高と損益分岐点の差を見ることで、お店の経営にどれくらい余裕があるか、赤字転落のリスクがどれくらいかを判断できます。



なるほどー!赤字にならない最低ラインが分かれば、目標も具体的になるよね!まさに経営のものさし!
損益分岐点の計算式は 「固定費 ÷ (1 – 変動費 ÷ 売上高)」です。
数式を丸暗記するより、「固定費をカバーするために必要な売上高」だと理解することが大切です。
まとめ:簿記は経営の羅針盤!数字を味方につけよう


飲食店経営を成功させるために、料理や接客スキルと同等に重要なのが、お店のお金の流れを管理する力、すなわち「簿記」の知識です。
簿記は、決して経理の専門家だけのものではありません。経営者を目指すあなた自身が数字を理解することで、どんぶり勘定から脱却し、お店の本当の経営状況を知ることができます。
簿記を理解すると、数字に基づいた的確な経営判断ができるようになり、安定した経営の土台を築けます。融資や補助金の申請でも、自信を持って計画を説明できるようになるでしょう。
まずは日商簿記3級の取得を目指しましょう。日商簿記3級に合格するためには、およそ80時間の勉強時間が必要です。最短で合格を目指すあなたには、オンラインスクールのクレアールをおすすめします。
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算数が苦手な人に伝えたいことは、算数と簿記はまったく別物。ルールに慣れることが重要で、誰でも必ず身につけられるスキルだよ。
簿記は、あなたの夢のお店を成功へと導くための、強力な「武器」になります。簿記を味方につけて、成功への航路を確実なものにしましょう!
この記事が、あなたの未来への後押しに繋がれば幸いです。
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またお会いしましょう!
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