飲食店の正社員に将来性はある?|ホールスタッフのキャリアアップ方法3選

「長時間労働なのに給料がこれだけ⋯」
「こんな働き方でいつまで身体が持つか心配だな⋯」

ローマ

このまま飲食店で働いていて将来が不安だと感じていませんか?


飲食店で働く正社員の中では、昇格してキャリアアップできる人とできない人の2極化が進んでいます。厳しいようですが、これは実力社会の現実です。

私は飲食業界歴20年以上。レストラン2店舗で店長の経験があり、日本とイタリア双方のソムリエ資格を取得しました。現在は個人で小さなレストランを経営していますが、ホールスタッフでも正しい方向性で努力をすれば、将来の不安を減らせることに気づきました。

この記事の内容
  • 飲食店の正社員が将来に不安をもつ理由
  • 稼げるスタッフと稼げないスタッフの明確な違い
  • ホールスタッフがキャリアアップするための方法3選
結論
  1. 昇格が見込める環境を見極め、身を置くこと
  2. 少し先をゆく先輩の技術や考え方を真似ること
  3. 確実に給料が上がる資格を取得すること

これらの3つを達成できれば、確実にキャリアアップにつながり、将来の不安も減少します。

飲食業が好きで長く続けたい方や、将来独立して飲食店を開業したい方にとっても役立つ情報をお届けします。ぜひ最後までご覧ください。

目次

飲食店の正社員が感じる将来への不安|実体験をもとにした5つの課題

まず、飲食業で働く方々が抱える将来への不安について、私の実体験やまわりのスタッフの話をもとに、5つの課題にまとめました。

年齢を重ねたときの体力的な問題

飲食業は長時間の立ち仕事が基本で、年齢を重ねるごとに身体への負担が大きくなります。特に40代後半以降の社員からは、体力面での悩みを聞くことが増えます。

今20代の若手の方も、将来この課題に直面することは避けられません。早い段階で、働き方についてのプランニングを行うことで、将来の道筋に差がつくでしょう。

私生活とのワークバランスが難しい問題

飲食業界では、長時間労働や夜遅い帰宅が日常です。長期休暇も少なく、盆や正月に働くのが一般的で、急な欠員で休日出勤することもあります。
ライフスタイルが変わるにつれて働き方も見直したくなりますが、飲食業ではそれが難しいことも多いです。休日が合わないために、子どもの行事に参加できない、家族や友人との時間が取れないといった問題が生じます。

カプリ

年末年始に家族や友達との予定が合わないのが悲しいのよね⋯

専門性が少なく他業種への転職が難しい問題

飲食業のホールサービスの主な業務は、注文を厨房に伝えることや料理の配膳です。スキルが伴わなければ、残念ながら「誰でも代わりがきく仕事」となりがちです。
スキルを身につけず年を重ねた場合、他業種に移りたいと思っても難しくなるリスクがあります。自身のスキルや強みを若いうちから考えることは、長い目で見て重要です。

飲食業界全体の給料水準が低い問題

飲食業界の給与水準は他業種と比べて低く、業界全体でワースト1とされています。

産業平均賃金(千円)
鉱業・採石業・砂利採取業376.7
建設業364.1
製造業334.8
電気・ガス・熱供給・水道業421.6
情報通信業407.4
運輸業・郵便業303.3
卸売業・小売業356.2
金融業・保険業497.5
不動産業・物品賃貸業377.1
学術研究・専門・技術サービス業430.2
宿泊業・飲食サービス業290.1
生活関連サービス業・娯楽業314.6
教育・学習支援業436.0
医療・福祉356.7
複合サービス事業327.6
サービス業(その他)307.6
引用:令和5年厚生労働省賃金構造基本統計調査(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2023/index.html

キャリアアップを目指さずに年齢を重ねた場合、頭打ちになる年収がどの程度かを理解し、将来設計に活かすことが大切です。

ローマ

宿泊業・飲食サービス業だけで200万人以上が回答しているデータなので信憑性は十分あります。その反面、業種の括りが大きいので、会社によって給料の差が大きいことが注意点です。

引用:令和5年国税庁民間給与実態統計調査(https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2023/minkan.htm

人間関係が悪くても顔を合わせなければならない問題

店舗型の仕事全般に共通する課題ですが、価値観の合わない上司や同僚がいても、日々顔を合わせなければなりません。特に飲食業界は人の入れ替わりが激しいため、どこで働いていても「嫌な相手」に出くわす可能性はゼロにはなりません。

「嫌な相手」程度であれば我慢できるかもしれませんが、パワハラやセクハラに悩まされている場合は早急に退職を検討すべきです。精神的に追い詰められてからの転職は、キャリア形成にも悪影響を及ぼします。

稼げるスタッフと稼げないスタッフの明確な違い

将来の不安が具体化したところで、次に「稼げるスタッフ」と「稼げないスタッフ」の違いを解説します。飲食業界歴20年以上の経験から、同じ職場でもこの2タイプの人が存在することをはっきりと感じてきました。

将来に対する意識の違い

飲食業界は人材不足が続いているため、アルバイトから社員登用されたり、なんとなくこの業界に入る方が多いのも事実です。私もアルバイトから社員になった一人ですが、職場での時間の過ごし方で「稼げるスタッフ」と「稼げないスタッフ」に分かれ始めます。

  1. なんとなく働き続けて、時間が過ぎてしまう人
  2. 危機感をもち、キャリアアップするために努力する人

将来不安を払拭できるのは、言うまでもなく後者の方です。飲食業界だけでなく、努力を怠りその日暮らしの生活をしていると、人生の後半で必ずツケがまわってきます。

カプリ

とはいっても、嫌なことは後回しにしたいし、楽しいことを優先的にやっちゃうわよね〜

ローマ

何年も仕事へのモチベーションが上がらない時点で、今の職場があなたに合っていない可能性があります。

現場での姿勢の違い

稼げるスタッフになるためにはキャリアアップが不可欠です。では、どのような人が昇格の対象となるのでしょうか?昇格を狙える人の条件は「仕事ができる人」ですが、これをさらに分解すると、次の3つの要素に分かれます。

  1. 接客スキルが高く、お客様と良好なコミュニケーションが取れる
  2. 上司へのアピールがうまく、評価されやすい
  3. 経営者視点をもち、店舗運営の意識が高い

ホールスタッフとして一見重要に見えるのは1の「接客力」ですが、昇格を目指す場合には2と3が特に重要です。なぜなら、基本的に直属の上司からの推薦がなければ昇格は難しく、さらに経営者(給与を支払う側)の意識や期待に沿うことが求められるからです。

ローマ

先輩から可愛がられることも、キャリア形成において大切なスキルの1つです。

「経営者マインドの持ち方」についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
»働きながら経営力を磨くための実践方法

飲食店でキャリアアップをする方法3選

将来の不安を払拭するためには、キャリアアップによって高い地位や収入を目指すことが鍵です。では、キャリアアップのためにどのような行動を取るべきか、具体的な方法を解説します。

昇格が見込める環境に身をおくこと

まずは、昇格が見込める職場環境を理解し、自分をその環境に置くことが大切です。昇給のチャンスがある職場とは、次のような特徴がある環境です。

  • 店長や副店長のポストが空いている
  • ホテルや複数店舗を経営しており、役職のポストが多い
  • 個人経営ではなく、組織として役職階層がある

現在の職場において役職のポストが空いているのが理想的ですが、長い間ポストが空かない場合は転職も検討すべきでしょう。また、個人経営の店舗では昇給や昇格が見込めないケースも少なくないため、40代を迎える前に、できるだけ給与水準の上がる職場への転職を目指すことをおすすめします。

ローマ

とくに役職の経験がない場合、年齢とともに転職のハードルは上がってゆきます。

憧れる先輩を見つけて技術や考え方を真似ること

次に、業界でキャリアアップを図るうえで有効な学び方として、日本の茶道や武道に由来する「守破離」の考え方を紹介します。

  • 守(しゅ):基本を学び、忠実に守る
     指導者や上司の教えに従い、基本的なスキルを習得する段階です。
  • 破(は):基本をもとに工夫し、応用する
     基礎を理解しつつ、改善や効率化を加え、より高いスキルを目指します。
  • 離(り):独自のスタイルを確立し、新しい価値を生む
     オリジナリティを発揮し、周りに影響を与えるリーダーシップを発揮します。

まずは「守」の段階からスタートし、尊敬できる先輩の行動や考え方を真似てみましょう。平社員であれば副店長、副店長なら店長と、1つ上のポジションを持つ先輩が理想です。その方があなたにとって「見習いたい人」であれば、その人の行動や考え方を忠実にコピーすることがキャリアアップへの第一歩です。

「見習いたい人」が職場にいない場合は、転職を検討するべき段階だといえます。

ローマ

キャリア形成のためには、自分に合った社内環境がとても大事です。

給料が確実に上げる資格を取得すること

飲食業界で確実に給与アップが見込める資格は「ソムリエ資格」です。「レストランサービス技術検定1級」にも資格手当が出る会社はありますが、業界全体での認知度とキャリア価値を考慮すると、ソムリエ資格が圧倒的に有利です。

カプリ

でもソムリエ試験って難しそうよね⋯

ソムリエ資格のメリットや最短取得方法については、別の記事で詳しく解説していますので参考にしてみてください。
»ソムリエ資格のメリット5選
»ソムリエ資格を1発で合格する方法

なお、ソムリエ資格を取得しても給与が上がらない会社は、キャリア形成の面で不利な可能性があります。こうした会社では、将来的に優れた人材が集まりにくく、組織の成長も見込みにくいと言えます。そのため、資格取得後も評価されない場合は、転職も視野に入れるべきです。

【まとめ】飲食業界で将来の不安をなくすためにはキャリアアップを狙おう!

飲食店で正社員として働く上で将来の不安はつきものですが、明確なキャリアアップの手段を持つことで、その不安を解消できます。

  • 昇格が見込める職場に身を置くこと
  • 尊敬できる先輩のスキルや考え方を真似ること
  • 確実に評価される資格を取得すること

これらの課題をクリアすると、キャリアの方向性が見えてくるでしょう。

今回ご紹介した3つの方法を実践することで、昇格や収入の安定を目指すと同時に、仕事に対するモチベーションも自然と高まります。飲食業界で長期的に活躍したい方や、将来的に独立を視野に入れている方は、ぜひ一つずつ取り組んでみてください。

頑張るあなたを応援しています!

ローマ

またお会いしましょう!

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