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ターゲット設定をせずに飲食店を開業すると、ほとんどの場合成功はできません。
私は飲食業界歴20年以上。レストラン2店舗でマネージャーの経験があり、日本とイタリア双方のソムリエ資格を取得しました。現在は個人で小さなレストランを経営していますが、今回ご紹介するターゲット設定の効果をとても実感しています。
- ターゲット設定の必要性とメリット2選
- ターゲット設定をするための5ステップを伝授
- 顧客の期待値との差が生まれにくくなるのでクレームが起こらない
- 競合他社と差別化ができて理想の客層の来店に繋がる
わたし自身が経営するお店で行っているターゲット設定の方法や考え方を惜しみなくお伝えします。ここでしか読めない情報ですので、ぜひ最後までお読みください。
ターゲット設定のメリット2選|理想の客層が来店する環境づくり





ターゲット設定なんて簡単!老若男女、幅広い客層に愛されるお店づくりがしたいのよ〜♡
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「幅広い客層」をターゲットにしていることが、クレームの起きやすいお店をつくっている原因になっているかもしれないよ。



どういうこと???
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ターゲット設定のメリットを踏まえてわかりやすく解説するね!
①来店客を絞ることでクレームを防ぐ店舗作りができる
ターゲット設定とは、「理想の顧客像を明確にすること」を指します。
顧客像を具体的に考えることで、お店の「価値」や「強み」を明確にし、来店客の期待値を的確に満たせる店舗作りが可能になります。


例えば、子連れファミリー層でにぎわうイタリアンに、「静かに非日常を楽しみたいシニアのご夫婦」が来店した場合を考えてみてください。
シニアご夫婦の食事は満足度が高いものになるでしょうか?
お店側がこのギャップを理解していないと、海パンで浮き輪を持った人を登山につれていくことにもなりかねません。 ターゲット設定を怠ると、来店客の「期待」とお店の「提供価値」がかみ合わずにクレームの原因になります。
また、ターゲット設定のポイントは、ターゲット層の幅を広くしすぎないことです。
幅広い層の顧客化を目指すのは大手企業の戦略であり、個人店ではありません。
例えばマクドナルドは、ファミリー層、サラリーマンや学生と、幅広い層をターゲットにしています。しかし、ハンバーガーを販売するレストランからの収益だけでなく、フランチャイズ加盟店からのロイヤルティー、不動産収益と3本の柱があります。大企業の戦略と、個人経営の飲食店とはビジネスモデルが全く違うことが分かります。


- 無理な要求をする顧客が増える:対応に追われて従業員のストレスが増加する。
- リピーターがつきにくい:満足度の高い顧客体験を提供しにくくなる。
- 悪い口コミが広がりやすい:特定の顧客層を満足させられず、営業を阻害してしまう。
このような理由から、個人経営の飲食店は「ターゲット以外を切り捨てる覚悟」も必要となります。
②お店の強みが明確になり競合他社との差別化ができる
ターゲット層を設定し、そのニーズ(何を求めて来店されるのか)を考えることで、競合他社との差別化にも繋がります。
競合他社とは、同じ市場で顧客を狙う、自社と同様のサービスを提供するビジネス上の競争相手のことです。
顧客は来店前に、同じ料理ジャンルや同価格帯のお店を比較検討する場合が多いです。
このとき、顧客ニーズに対して正しく訴求ができていれば、顧客は「自分のためのお店だ」と感じて来店してもらいやすくなります。
また、具体的には「ターゲット設定のSTEP5」でお伝えしますが、競合他社が大企業である場合でも、「勝てる要素」と「負ける要素」を理解することで、明確な棲み分けをすることができます。
ターゲット設定をすることで、お店の強みが明確になり、理想の顧客像に来店していただくことが出来ます。
ターゲットを設定する手順と考え方


ターゲット設定は初めて取り組む人にとって難しいと感じることもありますが、次の5つのステップを使えば誰でも簡単に取り組めます。
まずはマーケット(市場)全体の不満や課題を探します。
顧客を5つの分類に分けて、どの人をターゲットにするべきかを考えます。
より深く人物像をイメージしながらターゲットを絞っていきます。
お店の強みで顧客の不満や課題を解決できるように定義します。
競合他社の強みと弱みを把握し、自社の勝てる要素を探します。
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わたしのお店の事例も出しながら、それぞれを詳しく解説していきます!
STEP1.マーケット全体の不満要素を調査する
まず、マーケット全体でどのような不満要素があるのかを調査することから始めましょう。マーケットとは、お店の顧客になる可能性がある人の集まりを意味します。
理想の顧客像に来店してもらうために重要なことは、「顧客がだれであるか?」を理解することです。この軸をブラさないためにも、まずはマーケット全体から調査を始めます。
そして、顧客の不満要素を知ることが、顧客ニーズを満たすための第一歩となります。
調査方法はとても簡単です。同ジャンルや近隣の同価格帯の飲食店を検索し、Googleマップやグルメサイトの口コミのなかで、顧客が抱える「不満」と「課題」をリストアップします。
わたしが自分のお店を立ち上げるときに行った調査では、次のような「不満」と「課題」がリストアップできたので紹介します。
- 記念日利用のお客様が多いため、ふらっといきにくい。
- コスパが悪い。
- 一人ではいきにくい雰囲気。
- 事前に伝えたNG食材が伝わっていない。
- 予約時に指定したテーブルを間違えられた。
- スタッフの制服の汚れが気になった。
- 使用済みの皿が目につくところにある。
- 普段行くには高いが、記念日に行くには雰囲気がカジュアル。
- 料理提供が早過ぎる。もしくは遅すぎる。
- スタッフ同士が雑談しているのが聞こえる。
- 食材のわりに感動がなかった。
- 接客がフレンドリー過ぎる。
- 初めての来店で、常連とのサービスの差を感じた。
- 緊張で何を食べたか覚えていない。
- 最高の食材とテクニックだが「面白い味」で終わっている。
- 雰囲気は良いがスタッフがバタバタしている。
- バタバタと落ち着きがなかった。
- ボリュームが多いだけで美味しく無い。
- 日替わりメニューの説明がない。
- クレジットカードが使えない。
- 店員の態度や言葉遣いが良くない。
マーケット全体の不満をリスト化することで、後のステップでおこなう「ペルソナ設定」や「自店舗の強みの洗い出し」に活用できます。この情報をもとに、競合と差別化する要素を作り上げましょう。
STEP2.顧客層を分類して見込み顧客を設定する
つぎに、顧客を5つの分類に分けてイメージをしてみましょう。


「①常連顧客」は来店頻度が高く、「②一般顧客」は不定期だけどたまに来店がある方。
「③離反顧客」は以前は来てくれていたが近頃は来店がない顧客。
「④認知顧客」は、お店のことを知ってくれてはいるが、まだ来店されたことはない方。
「⑤未認知顧客」は、お店のことをまったく知らない方です。
下記の簡単な3つの質問で調査ができるので、企業のブランド戦略にもよく用いられます。


どの分類の人たちをターゲット層に設定するべきなのか、結論は、すでに来店されている「①常連顧客」や「②一般顧客」をターゲットに設定して、来店歴のない「④認知顧客」と「⑤未認知顧客」を”見込み顧客”に育てることを目指します。



すでに来店されている顧客をターゲットにして、来店経歴のない人を見込み客にする???意味がよくわからないわね。
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わかりやすく説明するよ!
ターゲット設定をするときは、性別や年齢はもちろん、住んでいる場所や趣味嗜好、その人の考えそうな事などを深くイメージしていきます。そのためターゲット設定した人物像を深く想像できるかが、とても大事になってきます。
「①常連様」や「②一般顧客」は、実際のお店の顧客をイメージすると、どのような人たちなのかを想像することができます。しかし、「④認知顧客」と「⑤未認知顧客」にいたっては、まだ出会ったことがない人がほとんどなので想像がつきません。
「③離反顧客」は、「なぜ来なくなってしまったのか」を考えることはとても重要ですが、ターゲットにするには非効率で、時間と労力がかかります。
このように、具体的な人物として想像できるかを基準に区分けしてみると、①と②以外は想像することが難しいことが分かります。
ターゲット設定の最大の目的は、将来行ってみたいと考えてもらえる「見込み顧客」を増やすことです。
そのためにも、来店されたことのある顧客をモデルにして、その「悩み」や「課題」を解決する方法を模索することが、合理的で効果の高い方法となります。


STEP3.ターゲット像を深掘りしてペルソナ設定をする
マーケット全体の悩みを書き出し、ターゲット像をイメージしたあとは、ターゲットを個人レベルまで深堀りをした「ペルソナ設定」を行ってきます。
ペルソナとは、顧客に見立てた架空の人物像のことで、年齢、性別、職業、趣味、家族構成など、多くの具体的な情報が含まれます。
この情報をもとに、マーケット全体の悩みと重ねることで、その人がどのようなニーズや悩みを持っているかを考えることができます。


【例】ペルソナの表面的要素
名前 | 高橋 英二 |
年齢 | 54歳 |
性別 | 男性 |
居住地 | 東京都文京区 |
家族構成 | 既婚(25娘はすでに独立) |
職業 | 大学教授 |
年収 | 1000万 |
趣味 | 神社仏閣巡り、舞台鑑賞 |
利用するSNS | LINE、Instagramは閲覧のみ |
服装 | フォーマル、スマートカジュアル |
外見 | 細身で171センチ、黒髪でメガネをしている |
性格 | 温厚で明るく社交的、頻繁に一人で外食するが、よく隣の方と話が盛り上がる |
【例】ペルソナの内面的要素
どんなときに嬉しい? | 美味しいものを食べているとき |
どんなときに楽しい? | 旅行をしているとき、仲の良い友人との会話 |
どんなときに怒る? | 約束したことを破られた時 |
ストレス解消法は? | 旅先での観光や食事、舞台鑑賞 |
どんなときに不安になる? | 病気をした時、いつまで健康でお酒が飲めるか、旅ができるか。 |
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働いているお店の顧客の一人をイメージして考えてみよう!
ペルソナ設定ができたら、マーケット全体の「悩みと課題」が重なる箇所に注目していきます。
すでにSTEP1でマーケット調査は終わっていますので、その中から5つをピックアップする形でみていきましょう。STEP1との違いは、ペルソナをイメージして、リアルな悩みを箇条書きにしていきます。
私の店舗の場合は次のようになりました。
- レストランの堅苦しい感じは居心地が悪くてどうも苦手だな。かといってカジュアルすぎる雰囲気も嫌だし…
- 良いお店を教えてと周りから聞かれることが多いけど、ベタなお店は人に紹介したくないな。
- 高級食材が使われていても印象に残る料理が食べられるお店は少ないな。
- お酒が好きだけど知識がない。色々教えてくれながら飲めるお店が楽しいよな。
- 自宅にワインが溜まってきたので、持ち込みOKなレストランで美味しい料理といっしょに楽しみたいな。



ここまで深堀りすると、とある顧客の顔が頭に思い浮かぶわ〜(笑)
STEP4.ペルソナの悩みを解決する形でお店の強みを定義する
次のSTEPでは、STEP3で挙げたペルソナの「悩みや課題」を解決するため、自身の店舗で行えることを挙げてください。これこそが、あなたのお店が顧客のニーズに答えることのできる「強み」となります。
- アットホームで居心地の良い空間→居心地がよいお店
- 閑静な住宅街に潜む小さな隠れ家レストラン→ベタではないお店
- 落ち着きのある大人な雰囲気→カジュアルではないお店
- ペアリングにこだわった料理とワイン→印象に残る演出
- イタリアと日本のソムリエ資格を持つ店主→豊富なお酒の知識
- 国内外の一流レストランで豊富な経験を持つシェフ→印象に残る料理を提供
- ワインの持ち込みが可能→持ち込みOKのレストラン
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これでお店の強みが明確になりました!
続いて、顧客がこれらを体験したときにどのように感じるかを考えていきます。
これを「ベネフィット(便益)」といいますが、簡単にいうと、お店を利用したことで得られる良い体験や結果のことです。


▼ベネフィットの3つの分類
ベネフィットは以下の3つに分類されています。
◎機能的ベネフィット
定義: 商品やサービスの具体的な機能から得られる利益。
例: 掃除機で部屋がきれいになる。
◎情緒的ベネフィット
定義: 商品やサービスがもたらす感情的な満足感。
例: 高級ホテルに泊まることで得られる特別感。
◎自己実現ベネフィット
定義: 商品やサービスを通じて理想の自分を実現すること。
例: 健康食品を摂取して自信を持つ。
これらのベネフィットは、顧客に対する商品の魅力を伝える重要な要素です。
売れているサービスや商品には、必ずこれら3つの要素が備わっています。
私のお店の場合は、次のようになりました。
- 誰も知らない良い店見つけた!
- ワイン仲間やグルメな友達に自慢できる!
- 料理は食材にもこだわりが見られて美味しい!
- 融通を聞いてくれるし特別感があったなー!
- プロの料理と接客なのに、堅苦しくなくて良い!
- ワインに詳しくなった気がする!
メリットを伝えるだけでは顧客は感情的にはなりませんが、ベネフィットを伝えると、たちまちエモーショナル(情緒的)な表現へと変化し、顧客の心を動かすきっかけとなります。
STEP5.競合他社との比較で自店の強みを明確にする
最後のステップは、競合他社との差別化をおこなっていくことです。文章では難しく感じるかもしれませんが、STEP4までで土台が固まったので、STEP5の作業自体はそれほどありませんのでご安心ください。
競合他社とは、同じ市場で顧客を狙う、自社と同様のサービスを提供するビジネス上の競争相手のことです。競合は、直接的な競合(同じ料理ジャンル)と、間接的な競合(同じ顧客ニーズ)の2種類があります。
直接的な競合の探し方は、自店舗と同ジャンルで人気のあるお店を探します。間接的な競合の探し方は、自店舗と同じエリア&同価格帯で人気のあるお店を探します。
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GoogleMAPやグルメサイトを使って探してください。
そのなかから3〜5社をピックアップし、そのレストランの「強み」と「弱み」を洗い出していきます。それを自店舗と比較し、「勝てる点」と「負ける点」を考えます。
わたしのお店の場合は次のとおりになりました。
■レストランA
強み:駅から徒歩5分、長年星付きレストランで修行したシェフの料理
弱み:ワインの種類が少ない、場所が分かりずらい(ビルの2階)
勝てる点:ワインの種類や専門知識、アットホームさ、コストパフォーマンス
負ける点:料理の多様性(当店は厨房スペースが狭く、設備も乏しい)
■レストランB
強み:駅から徒歩5分、有名ソムリエがワインをセレクトしている。ホテルならではのラグジュアリーな空間。
弱み:席数が多いのでサービスが手薄、堅苦しさ、ホテル価格
勝てる点:コストパフォーマンス、居心地の良さ、全てが手作り料理、接客の距離感
負ける点:高級感、一流ソムリエの知識や経験、料理やワインのメニューの豊富さ
■レストランC
強み:紹介制で1日1組という特別感、町屋改装の雰囲気のあるレストラン
弱み:分かりずらい立地
勝てる点:コストパフォーマンス、アットホームさ、ペアリングのこだわり
負ける点:町家の雰囲気、厨房設備、1組限定の特別感
■レストランD
強み:好立地、老舗レストランの安定感、オーダーメイドコース
弱み:オーダーメイドの煩わしさ、注文する食材によって金額が変わる
勝てる点:コストパフォーマンス、アットホームさ、グラスワインの種類の豊富さ
負ける点:立地、高級感、厨房設備、ワインのストック数
競合他社は、同じマーケットである以上、顧客獲得競争になることは避けられません。
しかし、「負ける点」を隠しつつ「勝てる点」を強く訴求することで、マーケットの中で「オンリーワンのお店」として際立たせることが可能となります。
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これにより、来てほしい顧客層が来店したいお店となり、集客へと繋がります。
まとめ|顧客モデルを作って戦略的に集客力UPに役立てよう!


この記事では、顧客モデルを作るメリットと具体的な作成方法について解説をしました。
顧客モデルを明確にすることで、自社の強みが理解でき、理想の客層に来店してもらうことが可能となります。
- マーケット全体の不満要素を調査する
- 顧客層を分類して見込み顧客を設定する
- ターゲット像を深掘りしてペルソナを作成する
- ペルソナの悩みを解決する形でお店の強みを定義する
- 競合他社との比較で自店の強みを明確にする
今回の記事で行ったことは、マーケティング用語でいうと「3C分析」といいます。


作成した顧客モデルを利用して、ホームページや広告、SNSなどで訴求をすれば、必ず理想の顧客モデルの来店につながります。自社の強みが正しく認識できていれば、来店された顧客の期待値とお店の対応とのギャップがほとんど生まれないので、クレームを回避する事もできます。
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わたしのお店でも顧客モデルを使ったプロモーションを行っていますが、安定して狙い通りの客層が来店してくださいます。
留意点として、顧客モデルを使った訴求をおこなう際は、長期的な視点を持つことが重要です。ターゲットが見込み客から実際の来店客になるまでには、一般的に半年以上の時間がかかることを認識しておく必要があります。
ターゲットはこの期間にも情報収集や比較検討をおこない、徐々に来店意欲が高めていきます。そのため、一貫性のあるメッセージ発信をおこない、顧客との関係構築に時間をかけることで、より確実な成果につながります。
10年間生き残る確率が5%程度といわれている飲食店経営で勝ち残るため、ターゲット設定をおこなうことを心からおすすめします。
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この記事が誰かの役にたてば幸いです。一緒に頑張っていきましょう!
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