飲食店経営を考えたときに、必ず向き合うことになるのが経理や税金の問題です。
特に個人事業主としてスタートしたばかりの頃は、専門家である税理士に依頼すべきか、自分でやるべきか、多くの方が悩むポイントだと思います。
結論として、会計ソフトと簿記3級の知識があれば、開業したての個人事業主に税理士は必要ありません。
レストラン経営歴4年目の私自身も、マネーフォワードクラウド確定申告という会計ソフトを使い、経理管理と確定申告は自身で行っています。
また、マネーフォワードビジネスカードとの併用で、もっと楽に、リアルタイムでお金の流れの把握ができるようになります。
この記事では、「なぜ税理士が不要と言い切れるのか」、自身で経理管理をするための方法を具体的に解説しています。
あなたが経理や税金のことで悩む時間を減らし、お店の経営に集中するためのヒントが見つかると思うので、ぜひ最後までお読みください。

お金の管理って、考えただけで頭が痛くなるわ…。
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経理を制するものは事業を制す!


小規模飲食店に税理士が不要な3つの理由
税理士に依頼する場合、顧問料として安くても月々2~3万円、確定申告の代行でさらに10万円以上かかるのが一般的。
年間では、数十万円の固定費になります。



でも、経理や税金のことって難しそうだし、最初から税理士に頼むのが普通じゃない?
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税理士への依頼は、お店が軌道にのって規模が大きくなってからでも十分だよ!
税理士が不要な理由は、
そろぞれを詳しく解説していきます。
進化した会計ソフトで日々の経理は自動化できる
昔の経理作業は、手書きの帳簿や複雑なExcelシートとの格闘でした。しかし、現代の会計ソフトは驚くほど進化しています。
銀行口座やクレジットカードを連携すれば、取引データが自動で取り込まれ、AIが勘定科目を推測してくれます。日々の作業は、その内容を確認してクリックするだけ。
かつて税理士に任せていた作業の多くが、今や月々数千円のソフトで完結してしまいます。



AIが推測!人類の進歩はすごいわね!
小さい規模の事業では経理処理は難しくない
飲食店の経理でするべき仕訳は、日々の売上、仕入れ、人件費、家賃など、ある程度パターンが決まっています。
経理は、仕訳(しわけ)という作業で日々のお金の流れを見える化していきますが、個人事業主の規模では、仕訳作業はそれほど複雑ではありません。
そして、まずは自分で会計ソフトを使いながら仕訳をすることで、キャッシュフローやお店の財務状況を肌感覚で理解できるようになります。これは経営者として重要なスキル。
お店の経営状況の判断に慣れてきてから、日々の記帳作業を記帳代行サービスに頼んだり、事業規模に応じて税理士に依頼したりするのが、最も堅実なステップだと私は考えています。
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自分やる→理解する→経営が順調→委託する。この順ならリスクは最小限!
誠実な経営なら税務調査は怖くない
日々の売上をごまかさず誠実に経営していれば、税務調査を過度に恐れる必要もありません。
もちろん経理処理は正確であるべきですが、個人事業主の経理で起こりがちな「勘定科目を少し間違えた」といった軽微なミスは、調査で指摘されても修正すれば済むケースがほとんどです。
加えて、個人事業主に税務調査が入る確率自体、一般的に0.5%~1%程度とされています。(参考:マネーフォワード クラウド)



映画やドラマのイメージで税務調査はとても怖いイメージがあったわ、、、笑
ただし、絶対にやってはいけないのが意図的な不正行為です。
売上を隠蔽したり、プライベートな支出を経費として計上する経費の水増しなどは、発覚すれば重加算税といった非常に厳しい罰則が科せられます。
大切なのは、税務調査を恐れることではなく、日々の売上と経費を正直に記録すること。
会計ソフトを使えば、その記録は誰でも誠実に行うことができます。
税理士の代わりになる会計ソフト|マネーフォワード
私が長年愛用し、自信を持っておすすめできるのが「マネーフォワード クラウド確定申告」です。


マネーフォワードの主なサービスと選び方
「マネーフォワード」には様々なサービスがあります。
個人事業主が使うべきは、マネーフォワード クラウド確定申告。主なサービスの違いを理解しておきましょう。
サービス名 | 対象 | 主な特徴 |
---|---|---|
マネーフォワード クラウド確定申告 | 個人事業主 | 日々の経理から確定申告まで、これ一つで完結 |
マネーフォワード クラウド会計 | 法人 | 法人向けの会計ソフト。決算書の作成などに対応。 |
マネーフォワード クラウド請求書 | 個人・法人 | 見積書、請求書、納品書などの作成・管理に特化。 |
マネーフォワード ME | 個人(家計簿) | プライベートな資産や家計を管理するためのアプリ。 |



個人経営は「確定申告」、法人経営は「会計」ね!
マネーフォワード確定申告の便利な3つの機能
1. 銀行・カード連携で入力の手間がゼロに
事業で使っている銀行口座やクレジットカードを一度登録すれば、あとは自動で取引明細を取得してくれます。
手入力の手間とミスが劇的に減り、経理作業の時間を大幅に短縮できます。





これなら、金額の打ち間違いも最小限に出来るわね!
2. スマホ1つでレシート管理が完結する
スマホアプリでレシートや納品書を撮影するだけで、日付や金額を自動で読み取り、データ化してくれます。
さらに「マネーフォワード ビジネスカード」という事業用カードを使えば、そのカードで支払った経費のレシートを撮影すると、自動で電子帳簿保存法に対応した形で証憑(しょうひょう)として添付してくれます。
もう、大量のレシートを保管しておく必要はありません。


【画像提案】マネーフォワードのスマホアプリでレシートを撮影している様子の写真。
3. ガイド通り進めるだけの確定申告機能
年に一度の確定申告も、質問に答えていくだけで必要な書類が自動で作成されます。どこに何を入力すればいいか迷うことはありません。
e-Taxにも対応しているので、税務署に行かずに申告を完了できます。


マネーフォワード確定申告の注意点とデメリット
非常に便利なツールですが、一つだけ注意点があります。
それは、家計簿アプリ「マネーフォワード ME」を使っている場合、同じメールアドレスでアカウントを登録してしまうと、意図せずデータが連携されてしまう点です。
事業用の会計ソフトに、プライベートのスーパーでの買い物履歴などが表示されてしまい、混乱をまねきます。



僕も最初の登録で、これにつまずいて時間を取られた、、、
対策として、事業用とプライベート用で、登録するメールアドレス(アカウント)を分けておくことで、データの連携を防ぐことができます。
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簿記3級の知識はあった方が良い
会計ソフトが優秀でも、最低限の経理の知識は必要です。具体的には、「簿記3級」レベルの知識があると、経理業務がスムーズになり、さらに経営の理解も深まります。
簿記3級の資格取得のための勉強時間は、50〜100時間ほど。1日2時間勉強すれば、1~2ヶ月程度で取得できます。


簿記の知識が経営判断の土台になる
簿記を学ぶと、貸借対照表(B/S)や損益計算書(P/L)といった財務諸表が読めるようになります。 これは、単に確定申告のためだけではありません。
- 今、お店の財産はどれくらいあるのか?
- 儲かっているように見えるけど、本当の利益はいくらなのか?
こういった、自店の経営状況を客観的な数字で把握し、的確な経営判断を下すための土台になります。
>>簿記3級の学習法については、こちらの記事も参考にしてください。


インボイス制度と消費税の基本
簿記3級の知識があれば、2023年から始まったインボイス制度への対応や、それに伴う消費税の仕訳も理解しやすくなります。
インボイス制度は、簡単に言うと「正確な消費税の納税額を計算するための新しいルール」です。
2年前の売上が1000万円を超えて課税事業者になった場合でも、課税売上高が5,000万円以下であれば、計算が簡単な「簡易課税制度」を選択することも可能です。
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飲食業のみなし仕入率は60%。普段の仕入れ率とどっちがお得か、比較して判断しよう!
参考までに、簡易課税制度における事業ごとの「みなし仕入率」は以下の通りです。
事業区分 | みなし仕入率 | 該当する事業の例 |
---|---|---|
第1種事業 | 90% | 卸売業 |
第2種事業 | 80% | 小売業 |
第3種事業 | 70% | 製造業、建設業など |
第4種事業 | 60% | 飲食店業など |
第5種事業 | 50% | サービス業(飲食店業を除く)など |
第6種事業 | 40% | 不動産業 |
税理士への依頼を検討すべき2つのケース
これまで説明してきたとおり、個人でお店をスタートする際に、いきなり税理士との顧問契約は不要です。
しかし、事業のステージによっては、税理士に依頼した方がメリットを得られる場合がありますので、 そのタイミングを2つ紹介します。


法人化で節税メリットを狙う場合
個人事業主として事業が成長し、年間の利益(売上から経費を引いた所得)が800万円~1000万円程度になってくると、所得税の負担がかなり大きくなります。
このタイミングで検討したいのが「法人化(法人成り)」です。
会社を設立し、自分自身に役員報酬を支払う形にすることで、給与所得控除などが適用され、個人事業主のままよりもトータルの税金を安くできる可能性があります。
このような複雑なシミュレーションや、法人化の手続きは、専門家である税理士に相談するメリットが非常に大きいと言えるでしょう。
従業員の雇用で経理が複雑になった場合
従業員を雇用すると、給与計算だけでなく、源泉徴収や年末調整、社会保険の手続きなど、経理業務が一気に複雑になります。
これらの手続きはミスが許されず、専門的な知識が必要です。
正社員を雇うタイミングで、手続きを正確に行うために専門家である税理士に依頼するケースは多いです。
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事業規模に合わせて、必要なタイミングで税理士と顧問契約を結ぼう!
まとめ|賢くツールを使い、経営に集中しよう
今回は、初めて小規模な飲食店を開業するときの税理士の必要性について解説しました。
結論として、開業当初の小規模な個人事業主であれば、税理士に依頼せずとも十分に経理業務は行えます。
おすすめは、会計ソフト「マネーフォワード確定申告」と、簿記3級の知識を組み合わせる方法です。これだけで、日々の仕訳から確定申告まで、問題なくご自身で対応できるでしょう。
何より、まずは自分で経理をやってみることで、キャッシュフローやお店の財務状況を肌感覚で理解できるようになります。
その上で、経営状況の判断に慣れてきてから、記帳代行サービスや税理士に作業を依頼するのが、最も堅実なステップです。
税理士への依頼を具体的に検討するのは、
- 利益が800万円を超え、法人化による節税を考え始めたとき
- 従業員を雇用し、社会保険の手続きが発生したとき
これらのタイミングが、一つの目安となるでしょう。
この記事が、誰かのお役に立てれば幸いです。
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またお会いしましょう!


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